約 1,494,099 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3062.html
「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 注意 本稿では、元であるPC版『三國志11』と、そのパワーアップキット版(以下「PK版」)について紹介する。 PC版(パッチ修正分を含む)は「クソゲー」、PK版は「改善」判定。 三國志11 概要 システム 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 三國志11 パワーアップキット(Win) 三國志11 with パワーアップキット(Win/PS2/Wii) 概要(PK) 追加要素 未だに残るAIの拙さ 総評(PK) 余談(PK) 三國志11 【さんごくしいれぶん】 ジャンル 歴史シミュレーションゲーム 対応機種 Windows 2000/XP 発売・開発元 コーエー 発売日 無印初期版 2006年3月17日 判定 クソゲー ポイント フリーズ含むバグまみれ客を完全に有料デバッガー扱い糞藝爪覧 三國志シリーズリンク 概要 コーエーの看板とも言える三國志シリーズの第11作目。これまでローマ数字だったタイトルナンバーがアラビア数字になった。 前作は個人武将を選んでプレイするスタイルだったが、本作にて再び君主プレイに戻った。 マップは1枚マップだが、本作では3Dマップとなったため、従来より高性能のビデオカードを要求するスペックとなっている。 システム 内政はいわゆる箱庭形式。全体的に「信長の野望 革新」に近いスタイルで、各都市に存在する空き地に農地や市場などを建設することで、その都市の収入を高める。徴兵や武器生産も対応した施設を建設して初めて可能になる。 どんな低能力の武将1人でも、時間はかかるが施設は必ず建てられる。武将が多いほど行動力も増すので、まずは在野武将の発掘などを行って武将の頭数を揃えるのが重要になる。 隣接する市場や農場の収入を上げる施設もあるため、施設の並びを考えながら配置していくことになる。基本的に大都市ほど、開発地が多い上に場所も固まっていて隣接効果を得やすい。 施設は敵の攻撃で破壊される事があり、施設が壊されると物資や後述の技巧ポイントが失われる。よって敵の攻撃に晒されやすい開発地は防衛施設を建てて防御したり、重要な施設の建設を避けたりしなければならない。守れそうにない都市は開発自体を最小限に止めなければならない事もある。通り一遍の開発は通用しないが、逆に言えば時と場合によって臨機応変に開発を進める楽しみがある。 一方で敵の施設を破壊すれば物資や技巧ポイントを多く奪うことが出来る。拠点を落とせずとも施設さえ破壊すれば、相手の内政を遅らせつつ自分の資源を増やし、戦略を有利に進められる。 戦争や内政によって技巧ポイントを得ることができ、それを消費することで兵科強化や施設強化が可能。これを「技巧研究」という。 技巧研究で開発できる技巧は、強力な投石で攻撃できる「投石開発」など戦略を一変させる物ばかり。技巧ポイントを意識して稼ぎながら技巧研究を進めるのも大事である。 最初から特定の技巧が開発済みの勢力もある。たとえば「白馬義従」の公孫瓚は騎兵系の技巧が非常に充実しており、騎兵の強烈さが目を惹く勢力となっている。 武将には1武将につき1つの「特技」が設定されている(特技を持たない武将もいる)。 内政に役立つ物、戦争に役立つ物と様々。能力値が中途半端な武将でもいぶし銀な特技を持っていることがあり、個性付けがされている。 戦争は、マップ上の自部隊を移動させて敵部隊や敵施設を攻める方式。マップ上で取れる主な行動に通常攻撃、計略、戦法、建設がある。 通常攻撃は気力を消費せずに相手部隊に損害を与えるが、付与効果はなく、相手からの反撃も痛い。 計略は複数種類あり、成功率は部隊を率いる武将の知力に依存する。使用時は部隊気力を消費する。 戦法は部隊の兵科によって異なり、それぞれの兵科に複数の戦法が存在する。使用時は部隊気力を消費する。 建設コマンドで、マップ上に攻撃施設や気力回復などの補助施設、さらに火計用の罠などを作れる。 拠点や開発地を守るのに使ったり、逆にこちらが侵攻する際に有利な展開に持ち込んだりするのに使える。上手に使いこなせれば寡兵で大軍を撃退する事も可能。 戦場で戦法を使うのに必要な兵科は「槍兵・戟兵・騎兵・弩兵・兵器・水軍」の6種。 槍兵・戟兵・騎兵・弩兵は兵士1人につき対応する武器(槍、騎馬など)が必要。いくら兵士がいても武器が無ければ非常に弱い剣兵でしか出陣できないため、「鍛冶(騎馬は厩舎)」を建設して対応する武器を作らなければならない。兵器、水軍用の艦船は1部隊1つで良いが、開発には専用の施設を必要とし、開発にかかる資金と時間も多い。また、水軍は艦船がないと非常に弱い。 武将によって得意な兵科、苦手な兵科が存在し、兵科適性としてS,A~Cのランクが振り分けられている。使用可能な戦法の数もこれによって決まる。 「部隊」は主将1人、副将2人で編成される。強力な部隊を編成するには率いる武将の組み合わせが肝心となる。 副将は主将の能力や兵科適性を底上げしてくれる。 1部隊は所属する武将全員の特技が使えるため、最大3つの特技を持つことができる。上手く組み合わせれば一騎当千の部隊を作るのも夢ではない。 問題点 AIが馬鹿。 金と時間と労力をかけて一生懸命城の周りに防壁を築いても、都市行動を「委任」にした途端、真っ先に自国の防壁を全力で破壊し始める。 委任すると褒美や治安を無視して行動するため、委任軍団の武将が次々と裏切り、都市には賊が次々と発生する。 かといって大勢力では委任を活用しないと、ゲームの性質上都市管理に大幅な労力を強いられてしまう。 戦闘委任は特に酷い。圧倒的優勢にもかかわらず行動を停止したり、自軍が仕掛けた罠を壊して回るなど暴走する。 武将の引き抜き条件を「相性」優先にし過ぎたのか、忠誠度100でも引き抜けるor引き抜かれることがある。これまでの同シリーズ作品なら、初期を別にすると(*1)多少差異はあるが忠誠度が94あたりを切らないかぎり引き抜きは出来なかった。 孫堅、孫策、孫権という実の親子軍団で出兵したところ突然孫策の旗の色が変わって何ごととか思ったら、「大変です!孫策様がひきぬかれました!!」 ゲームバランスを崩している強力な特技が存在する。 例としては諸葛亮の特殊能力「神算」。この特技は、自分より知力の低い相手に対する計略がクリティカルで必ず成功するというもの。諸葛亮の知力は100であり、同知力の三国志武将はいない。そのため、相手が防計系特技を持っていない限り100%計略が成功する。 その為に敵が攻めてきても、諸葛亮で偽報を流せばほとんどの敵が必ず撤退。同士討ちのみで敵を撃退することも可能。 おまけに蜀には、計略使用時の消費を1にする特技(百出、馬謖)や、隣接している敵将も巻き込める特技(連環、龐統)持ちもいる。この2人と組む事でどんな大軍相手だろうと計略連打で蹂躙できてしまう。 龐統は寿命が短いので史実シナリオではあまり組む機会に恵まれないが、寿命が存在しないIFシナリオ「英雄集結」では最初から最後までこの3人が組める。おかげで「英雄集結」は劉備軍の強さがえらい事になっている。 他の「条件を満たせば100%クリティカル」系の特技もほとんどが自分より武力の低いものを対象にする(所持者は大抵トップクラスの武力)のでバランスブレイカー。その一方で防御系の特技はほぼ全てが存在しないも同然のものであり、同じ一流武将でも(特に蜀とその他の勢力との間に)理不尽な格差が生じてしまっている。 何故か毎年「豊作」になる都市が固定で、その都市さえ押さえておけば兵糧問題が解決する。 数ある書物アイテムの効果が全て同じで、舌戦で全話術が使えるようになると言うもの。 城や港・関(以下拠点)が脆すぎる。拠点への籠城など自殺行為にしかならない。 いくら兵士を多数駐屯させていても、敵兵に隣接されるだけで耐久が減って簡単に落とされる。入口を敵部隊で塞がれると中から迎撃部隊を出す事もできなくなる。 拠点を攻撃した部隊へは自動的に反撃がなされるが、威力はたかが知れたもの。そもそも戦法へは反撃不可能なので兵器や弩兵には全くの無力。 港関は特に脆く「棺桶」と揶揄されている。そのためあえて敵に取らせて港関ごと撃破する「棺桶作戦」なる身も蓋も無い戦法も生まれた(*2)。 BGMの出来そのものは素晴らしいが、戦線が広がった後半は同じ曲ばかり流れる傾向があり間違いなく聞き飽きる。 お約束のフリーズバグ。強制終了も存在。あまりのバグの多さにユーザーが公式サイトの掲示板に突撃し炎上。とんでもない有様となった。 そのため2006年4月10日に既存のバグを修正し、バランス調整を図った修正パッチが発表された。通常コーエーの出す修正パッチは、中古対策のためにゲームのシリアルナンバーを入力してユーザーズページに登録しなければダウンロードすることができないが、今作のVer1.1パッチは登録していなくても修正パッチを落とすことができる(Ver1.2以降のパッチは他作品同様ユーザー登録が必要)。 そのパッチだが、敵はとことん攻めてくるわ、武将はとことん引き抜きにくくなるわと、まるでコーエーが逆ギレしたかのような内容だったため、ユーザーからは「コーエー逆ギレパッチ」とまんまな呼び名を付けられている。 ユーザーからの不評があまりにも大きかったためか、コーエーはバグの修正パッチ配布だけでなくディスク交換も無償で応じるという対策を採った。ただ、ディスク交換は後述の糞藝爪覧を隠すためではないかとの見方もある。同年4月17日にはバグを修正したバージョンを再発売した。 賛否両論点 それまでの作品では日本語であった「武将の掛け声」などのボイスが、何の断りもなく北京系中国語に置き換わった。 それだけならまだしも、日本語音声が一切入っていないため、CV音量を変更しない限り常に空耳同然の謎ボイスを聞かされることになる。 声自体も(顔グラへのこだわりに比べれば)種類が少なく、特にザコ武将では同じようなボイスを聞かされる。 とは言え問題点として挙げられている理由はあくまで日本語ボイスが入っていないからであり、中国語ボイスの導入自体に関しては「さながら本場中国の三国志ドラマ・映画を見ている雰囲気になる」等の擁護意見も一部で存在しており、決して不評意見ばかりでは無い。 この点は後述のPK版で改善されている。また中国語ボイスは『13』にて復活し、そちらでは本作PK版同様に無印の段階で最初から日本語ボイス・中国語ボイスの選択が可能になった。 評価点 火種・火球といった火罠のおかげで、工夫すれば寡兵でも大軍を撃退できるようになっている。 罠や攻撃用施設を建てて都市周辺を要塞化すること自体はそれなりに楽しい。 技巧研究の効果が目に見えて優秀。 戦争を重ねると物資を消耗するが、同時に技巧ポイントが得られる為に研究が進み戦力が上がるように調整されている。 このため1都市に籠城していると、そのうちに技巧研究の進んだ強力な敵軍に攻められるようになるため、単純な引きこもりプレイは通用しない。 洗練された一騎討ち、舌戦 一騎討ちは攻撃方針を選択して自動で戦わせるタイプ。仲間の救援、アイテムの使用、闘志を使った攻撃など奥が深い。 文官の一騎討ちにあたる舌戦は、武将ごとに定められた性格と所有話術によって歯ごたえのある勝負ができ、こちらも奥が深い。 バグやシステム面の問題に隠れがちだが、実は「三国志」を元にしたキャラゲーとしては意外に出来がいい。そのため「三国志が好きだから三國志11をやる」ユーザーにとっては、ロマンの面に限れば割と納得できる形となっている。本作はパワーアップキットである程度の回復を見せるが、この「キャラゲーとしての優秀さ」が大きな土台となったことは見過ごせないだろう(*3)。 + その内容 ほとんどの武将が持つ「特技」によって、強弱が固定されがちだった武将間に新たなバランスを見出している。 具体的には牛金、傅彤などの脳筋が渋い特技のおかげで活躍できたり、基本能力値の高い趙雲、郭嘉が強力だが決定力のある特技では無かったりする。皆ひと癖ありながらイマイチ表現できていなかった朱桓、陳武、蒋欽、徐盛らの呉将も上手く個性付けがなされている。 前述の諸葛亮のように基本能力値が高く特技も強力なバランスブレイカーもいるのだが、逆に考えればそれだけ有名武将の「手強さ」を再現できているとも言える。 特技の中には公式説明以外の隠し効果を持っているものもあり、以前は役に立たなかった特技がその効果が判明したおかげで一躍脚光を浴びる事態も起こっている。 特技の種類自体が非常に多いのも良点。「空気」な特技も多いのだが…。 個々の武将の持つ基本設定が非常に豊富。以下の設定は登場する700人近い武将全てに与えられている。 武将の基本能力値は年齢とともに変化する。その変化の仕方にも各能力ごとに成長期・能力持続期間が定められている。 一般的な武将は壮年時にピークを迎え年を重ねるごとに能力値が劣化してゆくため、世代交代のリアリティを感じつつプレイできる。 一方で黄忠の能力は老齢になるほど高くなったり、虞翻の魅力が能力維持型だったりと、ややシニカルな調整が垣間見える点も面白い。 武将の兵科適性はしっかり全ての兵科についてのS,A~Cが振り分けられている。 兵科による特化型・万能型の武将の個性付けができており、その場その場に合った武将の運用を考慮する戦略性を生んでいる。 兵科適性により、能力が高くても兵を実際に率いるのが苦手な純粋な軍師と、戦術・戦略の両面に優れた将軍型軍師の区別もしっかりなされている。 もっともこのように個性あふれる調整をされているのは中堅クラスまでであり、半分近くの武将は適当な設定であるが。 親愛・嫌悪武将が設定されており、それぞれにメリット・デメリットが存在する。 いくらか疑問符のつくものもあるものの概ね原典通りに再現されており、張飛と劉巴や袁術と陳矯といった細かな人間関係もしっかりカバーしている。 親愛だと同部隊引率時に部隊能力補正がついたり、嫌悪だと逆の補正がついたりと、しっかりシステム面にも人間関係が反映される仕組みになっている。 この他にも前述した性格、話術、さらには口調、在野時の都市移動傾向、出身地(武将推挙に関係)、婚姻、義兄弟、個人イベントなど武将ごとの設定は非常に多い。 有名武将には顔グラフィックが若年・老年の2種類存在する。 史実シナリオだと年代によって顔グラが変化するため、年齢的な顔グラの違和感がある程度解消されている。 特に趙雲、甘寧、姜維といった従来はお決まりのイケメンキャラだった武将が、渋みと威厳のある老将に変化することは非常に好評であった。 一方で、馬超、周瑜、陸遜など、何のために2枠用意されたのか分からないような武将もいる。 有名武将に戦法時、被ダメージ時、死に際、一騎討ち時などの専用セリフがあり、元ネタの分かる三国志ファンはニヤリとする場面も。 具体的には曹操攻撃時の馬超、戦法クリティカル時の賀斉、落雷を受けた時の劉備、処断時の陳寿など。 閻行、華覈、孫皎、張悌、傅僉といった武将にまでしっかり専用セリフが搭載されている点がなかなかニクい。 周泰や楽進のように「無口」という個性付けをされている武将もおり、顔グラや来歴と相まって評判は良い。 夏侯淵vs夏侯惇、孫策vs周瑜、果ては荀彧vs荀攸の一騎討ちにまで、しっかり専用セリフが盛り込まれている。 特に呂布と張飛はほぼ全てが専用セリフ。脳筋2人の舌戦時のセリフは非常に楽しませてくれる。 解りやすく「楽しめる」チュートリアル 劉備でプレイしながら段階を追って本作のプレイ方法を学ぶ事が可能。 登場する武将達の台詞が色々ぶっ飛んでおり見てるだけでも面白い。勿論ただのギャグになっておらず武将の特徴や演義等の設定を活かした上での台詞である。 舌戦と一騎討ち、PKの追加システムの説明は呉の武将たちが行う。こちらも呉の武将の特徴を旨く捉えているが、やや説明調が目立つきらいがある。 英雄集結シナリオに通好みな勢力が追加されている。 具体的には蜀の地で最期を遂げた鍾会と鄧艾や、淮南の三叛をまとめた毌丘倹などがそれに当たる。もちろん君主となるのは初。 総評 一万円を超えるバグゲーをリリースしてユーザーの信頼を大きく失ったコーエー。このような事態が起きた理由として、開発時期が決算間近であったことが挙げられる。 後述の「糞藝爪覧」事件についても、決算期に合わせる形で到底無理な納期を要求され、不本意な形で手放さざるを得なくなった現場の「ささやかな抵抗」であると言われている。 だがしかし、結局のところそういった現場の衝突によって実害を被るのは、他でもないユーザーなのである。 どんな理由があるにせよ、ユーザーを裏切る数多くのバグと企業問題レベルの悪ふざけは決して看過できる問題ではない。 余談 あるユーザーによって、武将データベースの中に「糞藝爪覧」という名前の武将が発見された。 当然だがゲームには登場せず、データベースを直接見ないと確認できない。 この武将は「フンゲイ ソウラン」と仮名振りされているが、「クソゲー つまらん」と読むことができ、武将説明文にも「あーつまらん」と一言だけ記述されていた。 悪ふざけとしては明らかに度が過ぎる。だが、逆に「何らかの理由によって開発陣の士気が大きく下がり、本作の開発が投げやりになっていたのではないか」と憶測を立てることもできる。 三國志11 パワーアップキット(Win) 【さんごくしいれぶん ぱわーあっぷきっと】 三國志11 with パワーアップキット(Win/PS2/Wii) 【さんごくしいれぶん うぃず ぱわーあっぷきっと】 対応機種 Windows 2000/XPプレイステーション2Wii 発売日 【Win】2006年9月8日【PS2/Wii】2007年3月21日 廉価版 【PS2/Wii】KOEI the Best 2008年11月13日/3,990円【PS2】コーエーテクモ定番シリーズ 2010年9月2日/2,079円 判定 改善 ポイント 粗も残るが及第点に足る内容CS版はさらに改善 概要(PK) 『三國志11』のPK版。 ユーザーからの第一印象こそ芳しくなかったものの、追加要素の充実などもあってまずまずの評判を獲得。 少なくともクソゲーでは無い内容となり、次作『三國志12』までに大きく時間が空いたこともあって多くのやりこみプレイも生まれた。 今ではその評価の回復ぶりは、作品自体の意外な奥の深さもあってシリーズ屈指の充実具合を誇る攻略wikiからも見てとれる。 追加要素 内政要素のパワーアップ 農場や市場などの一部の内政施設に「合併」の概念が加わった。 Lv1~3があり、合併することでLvが上がる。Lvが上がると収入が増加するが、その分建設までに時間も要する。 合併の際は同じ施設同士が隣り合うように効率よく配置する必要があるので、限られた建設地をどう使うか、というパズル的要素が加わっている。 主要な内政施設のレベルを全てLv3にすると見栄え的にも美しく、達成感がある。 ただし市場・農場は高レベルの施設1つより低レベルの施設2つの方が効果が高く、そもそも敵に破壊されては元も子もない。時には戦略上あえて低いレベルに留めておくことも必要となる。 闇市場・軍屯農・人材府など、10種類の新内政施設が追加された。 どれもひと癖ある効果を持ち、一部を除いて有用性の高いものとなっている。 中には既存の内政施設の効果を高める隠し効果を持っているものもあり、建設地の割り振りなどの面で戦略性が増している。 研究システムのパワーアップ 一定期間をかけることで、特定の特技を武将に付加したり、武将の能力を限られた数値・回数まで育成できる「能力研究」が搭載された。 付与できる特技も能力を上昇させることができる回数も限られているため、計画的に使う必要がある。 愛着のある武将を自らの手で文武両道の名将に育てたり、能力の低い武将でも内政や物資輸送で活躍させることができる。 統率・武力・知力・政治のどの分野を重点的に研究するかは自分で選べるため、勢力状況に合わせた研究方針をしたりと、頭を使う場面でもある。 ランダムで強力な隠し特技が一定数出現するため、時間をかけて研究する楽しみが増している。 技巧研究に「内政」面に関する研究が追加された。 物資輸送の際の移動力を上昇させたり、使いにくい港関をある程度使いやすくしたりと、地味ながら嬉しいものが加わっている。 キャンペーンモードの搭載 限られたターン数内に決められた目標を達成するキャンペーンモードとして、「決戦制覇モード」が搭載された。 多くは史実を基にしており、全部で20シナリオにも及ぶ。難易度も初級者向けから非常に難易度の高いものまでさまざま。 通常プレイとは違う特殊な戦闘条件や勝敗条件があるため、一風変わったプレイを楽しむことができる。 PC版、CS版共に(内容は異なるが)クリア特典があるため、やりがいもある。 なお登場する武将たちの会話の中には、思わず笑ってしまうような秀逸なネタも含まれていて大変好評である。 CS版は、決戦制覇モードとは別に「ステージシナリオ」というキャンペーンモードも搭載されている。(CS版無印にも搭載) 名称こそ異なるものの、やる内容は決戦制覇モードと同じようなもの。決戦制覇モードの追加シナリオと考えるといいだろう。 全部で8シナリオで、決戦制覇モード以上にニヤリとするメタ色の強い会話が展開されるのが特徴。三国志ファンなら必見。 クリアするごとに呂伯奢、孟建といったCS版限定武将が使えるようになる。 追加シナリオ PC版PKはPC版無印に加えて6シナリオ、CS版PKはCS版無印に加えて6シナリオ追加されている。 数は同じだが、追加されたシナリオの内容はPC版PKとCS版PKで異なるので注意。くわしくはこちら。 このうちCS版PKのみは、全てのバージョンのシナリオ15本+CS版PK限定シナリオ1本が搭載されている。すなわちCS版PKだけが全公式シナリオを遊べる。 特にCS版PK限定シナリオである「英雄乱舞」は、シリーズ定番の「英雄集結」シナリオの亜種とも言えるシナリオで、劉備三兄弟や孫家三代や曹家三代がそれぞれ独立していたり、張遼・諸葛亮・鄧艾・羊祜・陸遜といった珍しい君主が数多くいたりと、シリーズでも特に異彩を放つお祭りシナリオ。 単に君主や配下が特殊なだけでなく、勢力バランス的にも「英雄集結」より優れているおかげで評価は高い。 隠し武将 無印版でも使える隠し武将32人に加え、水滸伝武将50人、CS版限定武将18人が登場する。 水滸伝武将は、PC版ではPKの有無にかかわらずコーエーのユーザーズページ登録をしないと手に入れることはできない上、Steam版などは未対応。CS版ではPKのみ決戦制覇モードをクリアすることで追加されて行く。各武将の顔グラも好評で、特徴を捉えたものとなっている。水滸伝好きにはたまらない。 ただし『三國志12』の戦国武将と同様、「時代と無関係な武将を追加するくらいなら過去作から削除された三国時代の武将を追加しろ」といった意見は当然ある。 CS版限定武将は、ステージシナリオのクリアのほか、さまざまな条件を満たして本編をクリアすることで追加されてゆく。張氏、董白など他作品で話題になった武将(?)も含まれている。 その他 PC版無印にあった引き抜きや豊作都市の問題は改善されている。 中国語しかなかった無印に加え、日本語のボイスに切り替えることができるようになった。 マップ上に隠されている廟・遺跡(特技付与や能力アップが可能)の数が増え、廟によって修得できる特技の制限が無くなっている。 追加シナリオを含めても最も後年のシナリオが227年から始まるものなので、三国志後半を楽しみたいプレイヤーには残念だろう。 未だに残るAIの拙さ 上記のような追加要素やバグ修正により、当初のどうしようもない状態からすると相当な改善を遂げたPK版であるが、未だにAIの拙さは残る。シミュレーションのキモである「戦略性」を害する要因になっている以上は、やはり看過できない問題であろう。 最終版ともいえるCS版PKにまで受け継がれた具体的なAIの拙さとしては、例として以下のことが挙げられる。 合併システムや能力研究を使いこなせておらず、劣悪な並びで内政施設を建設したり、雑魚武将に優秀な能力依存系特技を与えたりする。 委任部隊が味方が作った土塁を壊したり、賊が出るまで徴兵したりする。 戦争に関しては特に稚拙。プレイヤーに不利な、CPUに有利な補正が大きくかけられる難易度・超級にしてようやく歯ごたえを感じられるほど。 他のCOM勢力に本拠地が攻められているにもかかわらず、執拗にプレイヤー勢力の城を狙ってくる。 兵科適性をまともに考えずに部隊を組む。平気で剣兵の部隊を出すわ、呂布や張飛を衝車に乗せるわといった、資源や人材の無駄としか思えない行為をやらかす。 下邳~曲阿港間の海上遠征を敢行して兵糧切れで自滅したり、港関に妙に執着して物資や人員を大きく失ったりする。一応、プレイヤーがこれを実際にされると非常にうっとうしいのだが、プレイヤーが求める「手ごたえ」とはなにか違う…。 やはり拙さのほうが目立つのだが、逆に以下のような面もあるため、「AIが完全にクソ」というわけではない。 城に優秀な武将が十分にいるときは、それなりに弱点を補完したような主将と副将の組み合わせで攻めてくることが多い。特技面でも同様。 こちらが騎兵で攻めると騎兵戦法の利かない地形に逃げたり、弩兵で攻めると森に隠れたりと、地形効果を考慮した部隊移動をしてくる。 意味のない場所に火罠や建設物を建てることもあるが、意味のあるところにもちゃんと建てる。意外に苦労させられることも多い。 火罠の使い方が意外と上手い。 総評(PK) 不満点も残るものの、クソゲーレベルの深刻な問題は解消したと言える。ボリューム的にも充実し、特にCS版PKはなかなかのもの。 内政施設合併システム、能力研究などの追加要素はどれも好評で、戦略ゲームとしての奥行きは無印に比べると格段に上がっている。 キャラゲーとしての優秀な土台もあるため、伝統的なおバカAIを三国志愛(脳内補完)でカバーできるプレイヤーにとっては、十分お勧めできる作品である。 ただ、逆にいえば脳内補完が必要なほどのおバカAIが未だ残っているわけで、PKを含めても「クソゲー」と評するプレイヤーがいることも致し方ない。 良くも悪くもシリーズ屈指のキャラゲーと言えよう。 余談(PK) PC版とCS版では、追加要素だけでなく、COM勢力の育成や騎兵の騎射の仕様などの細かい部分が異なる。購入の際は攻略wikiで確認するといい。 本作の発売以降、2011年に『三國志12』が発表されるまで数年間三國志シリーズはDS/3DSやPSPへの過去作のリメイク移植が行われるのみとなっていたが、 これは本作での失態というよりも、『オプーナ』の影響が尾を引いていた可能性のほうが高い。 Steam版のレビュー点数は非常に高い。歴史シミュレーションゲームとしてはCivilization III等、世界的なタイトルと並び、Koeiの歴史シミュレーションゲームの中では頭一つ抜けている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7816.html
この記事では『三國志14』・同作の大型拡張ディスク『三國志14パワーアップキット』を取り扱っています。 判定は前者が 良作 、後者は判定なしです。 三國志14 【さんごくしふぉーてぃーん】 ジャンル 歴史シミュレーションゲーム 対応機種 Windows 8.1/10プレイステーション4 メディア 【Win】DVD-ROM【PS4】BD-ROM 発売・開発元 コーエーテクモゲームス 発売日 2020年1月16日 定価 パッケージ版【Win】10,780円【PS4】9,880円(各税別) 判定 良作 ポイント 追加機能のDLC化『三國志』35周年記念作品中国全土の壮大な塗り絵 三國志シリーズ 三國志14 概要 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 三國志14パワーアップキット 三國志14withパワーアップキット 概要(PK) 追加要素(PK) 評価点(PK) 問題点(PK) 総評(PK) 概要 『三國志』シリーズの14作目。『三國志』シリーズ35周年記念作品となる。前作『三國志13』から4年の歳月を隔てて製作された。 今作は全武将プレイだった前作から君主プレイに戻り、また、『三國志IX』や『三國志11』で見られた中国全土1枚マップを採用しており、1枚のマップの中で内政や戦争の要素が完結するようになっている。 全体的には『IX』と『11』の両方の流れを汲み、さらに占領による領地の細分化などの独自の味付けがなされた作品となっている。 システム 全国一枚マップと細分化された領地 先述の通り、中国全土は広大な1枚のマップとHEXによって表現されている。 今作独自の要素としてそれぞれの「都市」の周りには複数の「府」が存在し、それらを占領して武将を配備して内政を行い、徐々に自勢力の「占領地域」を広めていく形になっている。 府には合肥や定陶といった三国志で登場する地名や彭城といった三国時代以外で有名な地名が付けられており、これらの地をめぐって他勢力と争う事になる。 ゲーム開始直後は未所属の府が多く、他勢力に奪われる前に占領していく必要がある。『信長の野望』シリーズで言えば13作目の『天道』でいう「町並み」の概念に近い。 核となる都市と存在する複数の府とその周りの地域を全て支配する事で、初めてその土地の全ての収入を手にする事が可能となる。今までの作品では領地は都市単位だったが、府によって細かい領地まで表現されるようになった。 自勢力の影響下に置かれたHEXは自勢力の色に塗りつぶされていく。内政ないし部隊を差し向ける事で自勢力の影響下を広げて収入を増やしていく形となり、中国全土を「塗り絵」の如く自勢力の色で塗りつぶしていく。 武将が配備された府では旬(10日)毎に武将の「魅力」や「個性」に応じて周辺のHEXが塗りつぶされ、部隊の場合は「陣形」や「規模」に応じて占領できるHEXの数が変化する。 同時に自勢力の影響下に置かれたHEXは「兵站」の概念も担うため、部隊と自勢力の都市を結ぶHEXが他勢力によって分断されてしまうと兵糧が届かなくなり混乱や大きな弱体化を招く。 都市を落とした際は所属する府を奪う事が出来るが影響力自体は最低限となるため、いきなり全ての土地を入手できるわけではない。このため、都市攻略後も自勢力の影響力を高めるために武将を派遣して占領を進めていく必要がある。 「府」自体は部隊に接触されるか計略の「地域懐柔」で支配下に置ける。このため、戦争で都市は奪えずとも府を奪う事で他勢力の領地と収入を掠め取って弱体化を図る事も可能。 また、都市に隣接する府を奪った場合は奪い返さんと執拗に部隊を差し向けてくるため、戦闘が起こりやすい。 シリーズ最大となる1,000人の武将 本作では『III』以来久々の登場となる呂公や荀爽など。そしてシリーズ初登場となる段煨、龐林、盧毓、柳隠、谷利、羊衜といった武将が大量に追加され、シリーズ初となる1,000人の大台に乗った。 一つの都市でも大量の府が存在し、それぞれに武将を配備する必要があるため、それまでのシリーズに比べても多くの武将が必要となるのでどの武将にも活躍できる目がある。 シナリオは従来の物に近いが、近年ではパワーアップキットでなければ実装されなかった後年のシナリオがいくつか最初から実装されており、デフォルトで「227年 出師の表」が存在。また、DLCでも早期購入特典で無料だった「249年 正始政変」等が実装されているため、後期の年代でもプレイしたいファンの要望にも応えている。 個性豊かな武将 武将の特徴として『三國志11』で見られた「特技」をより細分化し、最大5つの「個性」を持つ事で表現されている。 戦闘時に周囲の部隊を強化させる「神将」や、内政の際の占領範囲を増やす「名声」といった優位になれる「個性」の他、兵站が切られると全能力が低下する「酒乱」部隊の方針設定で自主退却や敵接近時の無視が出来なくなる「猪突」といったマイナス効果を持つ個性も多数存在している。 これにより、張飛や孫権の酒乱や功名にあせる黄忠といった今までのシリーズで表現されなかった負の個性が描かれるようになっている。原作で罠にはまって戦死した武将などは「直情」や「猪突」といったマイナス個性を持つ。 武将毎に主義と政策を持つ。 政策は武将毎に「戦闘」「支援」「謀略」「内政」「人事」のいずれかを強化させる政策を持つ。戦闘ならば特定の陣形を強化したり、支援ならば部隊の兵糧消費を減らすといった政策を持ち、それぞれレベルとコストが設定されている。 主義は君主になった際の「施政」コマンド内での勢力の主な方針となる。オールマイティな「王道」や戦闘に特化した「我道」等の主義が存在し、主義によって設定できる項目の数が変動する。これにより人事や内政を得意とする孫権や戦闘を得意とする呂布といった勢力の傾向が表現されている。 君主と同じ主義を持つ武将の場合は政策に必要な「コスト」が減るため、低コストで強力な政策を実行可能となる。 戦闘面では戦法や陣形といった従来のシリーズに近いもので個性を表現している。 内政 先述の通り、府に武将を配備し、「商業」「農業」「兵舎」の数値を高める事で収入を高めるのが主になる。数値だけではなく影響下に置かれた土地の数も影響するため、手早く収入を上げたければ部隊を差し向けて「占領地域」を増やすのも内政の一環になっている。 各コマンドの実行には「命令書」が必要となり、毎ターン命令書の数までしか命令を実行できない。「地域内政」で府に配備された武将はターン毎に金を消費しつつ自動的に内政を行うので、配備するのに命令書を使用すれば後は放置すればいい。必要に応じて配置換えをするか解任する際に改めて命令書が必要となる。 また、従来のシリーズでは人材登用や外交以外に主だった要素が無かった「魅力」が占領地域拡大に影響を及ぼすのも大きなポイントとなる。能力が低くとも魅力に特化した武将を配備させて早期に占領地域の拡大を済ませる事も重要である。 内政は「治安(統率)」「兵舎(武力)」「農業(政治)」「商業(知力)」と、いずれの能力も関わるため、少しでも得意な分野や内政に有利な個性があれば活躍できる。 「都市内政」として、都市毎に募兵と訓練担当を任命できる。これによって都市の軍備を賄う形になるが、どちらも金を消費するので財政と相談する必要がある。 評定を開いて武将からの「提案」を聞く事も可能。自勢力の状況に応じて武将が様々な提案をしてくるので金を消費してそれらを採用する事で実行できる。 戦闘中の勢力があれば敵の部隊に「計略」をしかける、消耗している部隊があれば兵力を「補充」するといった従来のシリーズではコマンドで表現していた要素は提案で採用する形で初めて行われるようになった。 内政面でも財政がひっ迫していると改善せんと提案をしてくるが、武将によっては「兵糧の売却」や「略奪」と違った方向で提案してくれるためにらしさがにじみ出ている。賊将なら略奪を好み、それ以外の将ならば略奪は最後の手段にする等。 これらの要素は従来の作品からすれば任意に行えていた物が多く、あえて不自由にする事でゲームバランスの一環としており、実行にも説得力が出るようになっている。 戦闘 ベースとなった『IX』と同じく戦略画面で部隊の進路や方針を選択し、「進行パート」で見守る形となる。進行中に敵の接近に気が付いたとしても近年の作品のように即座の対応は出来ずに次のターンまで待つ必要がある。 本作では勢力が大きい順にターンが回り、進行パートで一斉に進行する仕様上、後手(弱小勢力)ならば先手(大勢力)の都市の出陣状況、部隊の目標などを予め見る事が出来るため、有利に進める事が出来る。 逆にこちらが大勢力になると、敵勢力の咄嗟の出陣に対応出来なかったり、こちらの部隊の目標を見られた上で部隊の方針を決められるために裏をかくのが難しくなる。 このため、近年の作品では増加傾向だったリアルタイムで操作する場面は少ないのでよく考えて方針を定める必要がある。一応、任意のタイミングで戦法を発動できる「采配武将」という概念は存在するが、これも任命できる人数が限られており、ここぞという時の切り札的扱いである。 『IX』や『11』と同じく物資や兵も都市毎に管理され、輸送も不自由なのですぐに動かす事は出来ない。どこに配備するかが非常に重要となる。 一つの部隊に複数の武将を所属させる副将の概念はなく、全ての部隊は一人の武将で率いる形になった。このため、猪武者の部隊が計略に弱いという弱点が露呈するが、本作では任意の部隊に計略を仕掛ける事が出来ず、武将によっては計略を受けた周辺の部隊を素早く回復させるといった個性を持つ者も存在するため、従来のシリーズほど重篤な弱点ではなくなっている。 相性のいい武将や義兄弟などの部隊が近くで戦法を発動させると連携する事がある。『IX』と同様に平凡な将でも相性のいい武将を固めて連携させると活躍が出来る。 出陣の際には陣形を決める必要がある。こちらも『IX』と同様に陣形によって様々な個性を持つ。機動や攻撃力に優れた「鋒矢」や攻撃力は低いが占領範囲の広い「鶴翼」、凡庸な能力だが山地に入ると強力なバフがかかる「長蛇」等、用途に合わせて陣形を定める必要がある。 全国一枚マップでも触れたが、自勢力の影響下のHEXがそのまま兵站の概念を持つため、敵が突出した所で兵站を切って混乱させる事で、再序盤に到底かなわないような大勢力に襲われても対処が出来るようになった。 兵站が切られた状態が続くとどんな名将の大部隊でも死に体といえるほどの弱体化を受けてしまう。大軍で攻めたとしても兵站が切られるとあっという間に全滅する事も珍しくないため、パワープレイは通じにくいばかりか兵力を大幅に失う羽目になる。 「反董卓連合」シナリオでいきなり董卓と呂布に最大兵力で攻められる曹操勢力や「三顧の礼」シナリオの劉備ではこの兵站切りを巧みに生かす事で何とか切り抜けられるバランスにもなっている。 CPUも兵站切りを狙ってくる他、敵の内政による領地拡大でこちらの兵站が切られる事もあるため、攻める際は注意が必要となる。陣形によっては占領範囲が狭い物も多く、計画的に侵攻しなければいとも簡単に兵站が切られてしまう。 マップには「火罠」「櫓」「土塁」「落穴」等の建造物を設置可能。こちらもベースとなった『11』の要素を引き継いだ形となる。 ある程度勢力が拡大すると「外征」を行えるようになる。自勢力の都市や軍団に州ごとの全ての都市をオートで攻めさせる事が可能。細かな操作が不要となるため、ゲーム終盤の消化試合に向く。 外交 外交面では従来のシリーズより大きな変更点は少なく、一部のコマンドはある程度勢力が大きくならなければ使用出来ず、最初は「親善」や「同盟」「捕虜返還」ぐらいしか行えない。 敵に攻められた際の援軍要請や共同作戦が無い(*1)ので従来ほど頼りにはならないため、兵站の確保や不可侵条約、勢力が大きくなった際の連合防止の意味合いが強い。 勢力が大きくなって地位を得る事で初めて同盟国に「攻撃要請」したり弱小国に「降伏勧告」する事が可能となる。 コマンドを使用できる頃には国力が高まっており降伏勧告もそれなりに成功するため、中盤のテンポを速める事が出来る。原作視点でも張魯や劉琮といった勢力を次々と降伏させた曹操のようなプレイが出来る。 勢力に敵視されてしまうと親善で関係を改善する事が不可能に近くなるが、戦争で得た捕虜を解放ないし返還要求に応じると関係を改善できる。 アップデートとDLC それまでのシリーズでもシナリオや顔グラフィックといった要素をDLCで販売する事はあったが、本作はそれらに加え、能力の編集機能や新たな難易度などもDLCとして販売される予定となっている。 このため、シリーズでは初となるシーズンパスも販売されている。これらを導入する事で実質パワーアップキットにあたる要素を無印に備えることが出来るようになる。 アップデートにより無料で仮想シナリオや三国志時代以外の武将が追加される事もある。恒例の『古武将』『水滸伝』『信長の野望』の他『蒼き狼と白き牝鹿』からも武将が追加され使用出来るようになった。 チュートリアルやシナリオをクリアする事で「項羽と劉邦」等の古武将も解禁される。 歴史イベント 歴史イベントは全て発生条件を確認できるようになり、発生後に何が起こるのかが事前にわかるようになった。また、一部のイベントは条件を満たしている状態ならば任意に発動できるようになった。 これにより『12』~『13』で見られた勝手にイベントが発生して勢力版図がガラッと変わるといった問題点が改善されている。 あえて実行しない事で徐庶が劉備の下を去らずに諸葛亮と共存できる。孫策を死なさないまま全土を統一するといった歴史のIfも可能となっている。 その他 劉備・曹操・孫権・関羽・張飛・趙雲・諸葛亮・周瑜・呂布・貂蝉といった一部の有名武将は顔CGでモデルが動くといったシリーズ初の試みがなされている。 またシナリオ後期になると張飛の知力が上昇している。これまでのシリーズでも呂蒙といったシナリオによって能力が変わる将はいたが張飛の知力が変化するのは『11』以来。原作では劉備入蜀の際に策略を用いて厳顔を捕らえるといった知勇兼備の将として成長した場面が描かれており、これが反映された形になる。しかし個性から「酒乱」は消えていないので、酒が遠因となって命を落とした張飛らしさも損なわれていない。 孫権は後継者問題を拡大させた晩年の迷走が反映されており、一部シナリオでは能力が低下しているうえ、プラス個性がマイナス個性に置き換わっている。これまでのシリーズでは後期シナリオで能力が上がる将はいたが、逆に下がるというのも『11』以来。 評価点 ベースとなった『IX』や『11』の評価点となった要素を取り入れてより昇華させている。 リアルタイム戦闘や陣形による部隊編成(『IX』)、妨害施設による防衛(『11』)特性による武将の個性付け(『11』)をより発展させた事で純粋に面白さに繋がっている。 戦争システムは『IX』に近いが、IXには存在しなかった罠や妨害施設、今作から登場した兵站の要素の追加により、より深い読み合いと工夫が可能になった。 『11』では特技を持たない武将も多かったが、細分化された事で全ての武将が何かしらの個性を持つようになった。 『11』で見られた武将の様々な固有台詞も継承しており、さらに一部の武将には一騎打ちの固有名乗り、部隊編成時の固有台詞、果ては専用の音声で個性付けがなされている事もある。 両方の作品で見られた全国一枚マップも作り込まれており、巴蜀から長安を攻めるための北伐のルートや火計を狙いやすい夷陵や非常に進軍しにくい巴蜀の地などの個性がみられる。 一部のシステムやコマンドが不自由になった事が思わぬドラマを生み出し、熱い展開になる事も多い。 兵站の概念の表現 それまでのシリーズではあまり注目される事の無かった要素だがシンプルながらも表現されており、兵站が切られた部隊は大部隊でも簡単に倒す事が出来るために戦術面としても面白い。 内政の影響力増加で思わぬ所で切られたり、囮で釣って遊軍に切らせる、はたまた勢力が大きい状態ならば周辺の府を落として「包囲占領」を発動させて一気に兵站を切るといった様々な戦術が取れ、うまくハマった時はかなり爽快。 武将数の増加 同じく過去最大数の武将数を謳っておきながらほとんど武将に出番が無かった同社の『信長の野望 大志』とは異なり、武将は幾らいても足りないほどのゲームデザインなのでうまくかみ合っている。 本作で初登場となった谷利等、有名なエピソードがありながら今まで全く登場していなかった知る人ぞ知る武将も多い。 過去最大数ではあるが「胡赤児(『III』)」「張譲(『VI』)」『IX』の末期の武将等、過去作には登場したものの本作には登場していない武将も存在する。 「個性」や「陣形」の取り合わせによって武将の個性はかなり感じられる。 「錐行の陣(機動力最高)+脱兎(退却時はZOC無視+機動力増加)+強運(負傷、捕縛されない)」持ちで積極的に兵站切りを狙える劉備や、「医術」を持つために積極的に負傷した武将の治療を提案する張魯と虞翻、最高の武力と強力な固有戦法を持つが3つものマイナス個性により扱い辛さも天下無双な呂布、等、それぞれの武将の得意分野を理解する事で大いに活躍させることが出来る。 2級戦の武将といえど、親愛武将による能力バフを駆使すれば最強クラスの武将にも立ち向かえる。また、親族同士でもバフがかかるので一族が多い曹操や関羽などは結束するととんでもない強さになる。 内政による占領土地の増加量を大幅に増やす「名声」募兵時に効果を底上げする「召募」といった個性は持つだけで超一流武将を上回るほどの効果を発揮するため、それらを持つ武将は能力値が低くとも重宝出来る。 過去作と同様に義理や野望はマスクデータになっている。特に遠征による忠誠度低下が起こりやすい為、呂布は少しでも気を抜くと即寝返ったり反乱を起こして独立するなど近年のシリーズではあまり見られなかった最強だが扱いづらいクセモノといった面が表現できている。 骨太なバランス 兵を待機させるだけでも兵数に応じて兵糧が消費される。訓練や提案でも金が消費される等で物資はいとも簡単になくなる。特にリソースはかなり限られている序盤は適当にプレイするとすぐに赤字になるので、適材適所な内政を心がけて素早く収入を上げたり不要な官位を剥奪して俸禄を抑える等の倹約を徹底しなければならないため、骨太な難易度に仕上がっている。 兵糧の消費量が多く管理に悩まされる。金さえあれば大量に買えるが商人が常駐する都市はないので、内政で賄いきれない場合はよく枯渇する。巴蜀の地を攻める時等、年単位で部隊が出陣する場合は消費量が馬鹿にならない。 特に出陣後は部隊と出陣元都市が離れる程、兵糧の消費量が増えるため、大軍で遠征する際は十分に確保しないとすぐに兵糧切れを起こしてしまう。 戦闘面でも部隊が壊滅すると忠誠が下がり負傷や捕縛される確率も低くない。負傷した場合は回復に時間がかかり、捕縛されると忠誠度が下がりやすくなる等のデメリットも多いため、慎重になる必要がある。 武将数の多さから弱小勢力プレイでも未発見の在野武将がざくざく見つかるので詰みになりにくく、兵站や罠の要素も含めて大勢力に抗う術は多いので、序盤プレイや弱小勢力プレイはシリーズ屈指の面白さと言える。 中だるみを防ぐ仕様 勢力が大きくなった時点での降伏勧告、軍団委任や外征コマンド等により制圧速度を速める事が出来、中だるみやプレイ時間の短縮に繋がっている。 アップデートにより、中間エンディングも実装。近年の『信長の野望』シリーズにある惣無事令と同じくある程度支配した時点でゲームをクリアする事も出来るようになっている。 賛否両論点 歴史イベント 従来の半分ほどとなり、ムービーによる盛り上げも無いため、三国志を再現して楽しみたいという層には不向きになった。 戦争関連の歴史イベントが無い事も多く、三国志でも屈指のエピソードである「赤壁の戦い」のイベントが無いという点は不満点としてよく上げられる。劉備と孫権が同盟する所まではイベントがあるが、その後は自力で曹操軍を撃退しなければならない。 前作にあった次々に発生する歴史イベントによってゲームのテンポが悪くなっていた部分が解消され、内政や戦争に集中できるのでキャラゲーではなく戦略ゲーに回帰したともいえる。 また、一部のイベントはDLCによるシナリオと共に追加されるため、導入しなければより淡白になってしまう。 知力100軍師の仕様 本作では初期シリーズ同様、知力が100を超えると助言が極めて的確になり、絶対に助言が当たるパーフェクト軍師となる。登用出来る武将を確実に拾え、降伏勧告や同盟の成否も確実に言い当てるため、非常に頼りになる。 反面、知力が99以下ならば助言に外れがそれなりに混ざるのであてにならない(*2)。 特に知力90~99の軍師では差がほとんど感じられないので官職や名品を与えていかに知力100にもっていけるかが一流軍師の基準になる。 当然ながら諸葛亮は初期状態で知力100なので何もしなくとも的確な助言となる上に本人の専用個性や戦法のいずれもチート性能(*3)というシリーズ最強クラスの諸葛亮となっている。伏龍を得る事で天下を獲れるという司馬徽の言葉にも説得力がある。 このように知力100と99以下では使い勝手に差があり過ぎる為、もう少し調整をして欲しかったという声も聞かれる。 もっとも、本作ではコマンドを実行するまでに日数が必要となる為、知力100軍師の助言といえど、コマンド実行後に対象の武将が移動した事による状況の変化で失敗といった事は起こりうるし、負傷して知力が下がれば助言が外れるようになるといった弱点もある。 問題点 全体的にわかりにくいことが多い 戦法はいつ発動するのか、個性とは何なのか、どんな個性がありどのように作用するのか、収入の決まり方等、わかりにくい要素が多く初心者に優しくない できる要素、存在する要素に対して、低層のUIやオブジェクトとして表現されている要素の割合が少なくなにかとわかりにくさを助長している 三国志11程度の情報量であればやりながらわかっていくでも通用したが、本作ほど情報量が増えると把握するだけでも大変 官職が少ない 指揮できる兵は官職に応じて変動するのは従来のシリーズ通りだが、武将数が圧倒的に増えた割には官職の数はさほど変わらないのであっという間に埋まってしまう。 このため、勢力拡大中に有能な武将を登用した場合は既存の武将の官職を奪う必要があるため、忠誠が下がってしまう。 本作の場合、無官だと3,000~4,000人までしか兵を率いられないため、官職のない武将が戦場で活躍するのが厳しくなっている。従来のように統率が高い武将ならば指揮できる兵も増えるといった要素はない。 一部の説明不足 以下の点は説明がないまま不利益の原因になる点 特に都市の規模で最大兵数が決まるのだが、輸送や移動などで兵数や物資が最大値を超えてしまった時は特に断りなく、消滅してしまう。 提案や外交等で使用される金は君主が所属する都市の物で固定されるため、戦争や移動などで攻略直後の物資が乏しい都市に移動すると金が無いためにほとんど何も出来なくなってしまう。 他国の武将を登用する時はその武将が何らかのコマンドで都市から移動すると即座に失敗になってしまい無駄足を踏む確率が非常に高い。 自勢力に所属する武将の親愛武将を処断すると忠誠度が大幅に低下する。交戦中の勢力から降ってきた武将ならばよく該当するため、知らぬ間に大幅に忠誠が下がってしまう事がある。 チュートリアルが簡易 チュートリアル自体はあるものの数は少なく、シリーズ経験者を対象にしたような内容なのでシリーズ初心者には向かない。 初級モードならば自勢力への補正やAIが緩く、かなりの接待プレイになるのでこちらで試行錯誤しながらルールを覚える方がいい。 ただチュートリアルをクリアする事で張良や白起といったチートクラスの古武将が解禁されるのでこれらを使う事で初心者のフォローにはなる。 バランス面 進軍や輸送に時間がかかる。 これ自体は原作再現ともいえるので一概に問題点とは言えないが、1ターンが10日単位であるのに場所によっては数か月あるいは年単位でかかってしまう。特に巴蜀の地を攻める際は非常な面倒を強いられる。もっともこれは補給が寸断しやすいことも含めて歴史上正しいので、ある意味評価すべき点である。 太守を任命できない。 仕官年数や官職等から自動で決められてしまい、任意の武将を太守に出来ない。特に黄巾の乱シナリオでの曹操や袁紹といった野心の高い武将が太守になると「駆虎呑狼」の餌食になりやすい。 太守でなければ発動しない個性(仁政)といった物もあるので使い勝手が悪くなってしまった。 政策の1つ「侵略荒廃」がとにかく邪魔。 進軍した地域の内政値を下げる効果だが、敵に使われると鬱陶しいだけで自分で使うと役に立たない。 というか地域を落とせば内政値減少の損害を受け自分が受けることになるため、ない方がマシですらある。 自身の評価の低さに留まらず、謀略系全ての効果がある「上兵伐謀」までもこれを嫌って避けるというプレイングが一般化してしまっている。 外交 基本的に同盟ぐらいしかする事が無く、その同盟も互いに攻め込まない事と同盟国の領地も兵站になるといったメリットしかないので頼りない。 攻撃要請も使用できる頃には自勢力は十分に大きくなっているので役に立つとは言い難い。 援軍要請や停戦が無いため、殊更外交の影が薄い。せっかく捕虜返還や解放で関係が改善される要素があるのだからそこから停戦を持ち掛けるといった事が出来ても良いハズだが… 特に捕虜を返還して関係を改善しても大抵は交戦中なので即座に「敵視」の状態まで悪化してしまい、ほとんど意味が無くなる。 同盟の延長が不可能なので一度解消された後に結び直す必要があるのだが、使者が到着するまでの間に相手勢力に攻撃される可能性も高い。 同様の問題は『信長の野望 創造』や『信長の野望 大志』でも見受けられたのだが… 近隣の勢力が手を結んで大勢力に立ち向かう「連合」は今作でもあるが組んだ所でどの勢力も動かないために空気と化している。 「反董卓連合」シナリオでは史実通りに連合軍が何もしないのでそのまま前線に立つ曹操が董卓軍に屠られる光景も珍しくない。 信長の野望や過去作ならば連合を組まれた瞬間に一斉に出兵される為に大勢力と言えど窮地に陥る要素ではあったのだが、今作の場合は組まれた所で全く怖くない。 内政 内政開発による発展の幅が小さく、領地を塗り切ればもう大半の開発は済んでしまったも同然であり、あとは物資の倉庫の拡張目的として都市のレベルを上げるぐらいである。 そのため高い政治を持つ武将を選んで任命するよりも武将や頭数をとにかく並べて置いておくだけになってしまう。 たまにしか来ないとはいえ商人との交易レートが内政収入のそれと全く見合わないものになっており、特に序盤に物資のやりくりに悩んでいる最中に商人が現れると一気に潤って開発もへったくれもなくなってしまう。 府の収入の成長量自体の小ささと相まって開発の意義はだいぶ小さい。 部隊が出陣元の物資を消費するという兵站システムにより戦闘部隊が物資を運び込めない仕様になっており、占領した都市の物資の多くが消え、固定値が補充されるという歪な物資ルールとなっている。 大規模な勢力での連戦がやりづらくなっており、非常に脆い輸送隊を後詰めとして付けるという危うい用兵をAIが要求される。 また賊にわざと都市を明け渡して取り返すことを繰り返し補充された多くの物資を延々と蓄積させるような裏技まで存在する。 一騎打ちの簡素化と舌戦の廃止 一騎打ちは五合打ち合うのを見るだけという方式になりプレイヤーが介入する要素は一切なくなった。 また舌戦は完全に廃止された。 また、一騎の個性を持ち武力差があっても負ける事が多く安定しない。 従来のシリーズでは専用の補正を持ち、最強の武力でほぼ無敵を誇る呂布ですらその辺の猛将に普通に負けるので油断ならない。 ゲームが重い 発売当初は一部のPCでマトモに動かない等の問題も多く、動いたとしてもかなり重たい事が多かった。 コンシューマー版でもターン毎にオートセーブが行われ、その度に時間を食うので不評だった。 武将の寿命 武将の死因として「自然死」と「不自然死」(戦死や事故死など)が設定されており、不自然死の武将は設定されている没年を迎えた後もしばらく生き続けることができる。 しかし武将の年齢に関わらず没年+数年程度で寿命を迎えてしまうため、若くして不自然死した武将は結局長生きはできなくなってしまっている。 例として上述の「正始政変」シナリオでは、史実で司馬一族に粛清された曹爽勢力でもプレイが可能だが、シナリオ開始時点で主要人物が悉く没年を迎えているため、不自然死とはいえゲームクリアまで持たないことが多い。 設定で寿命を「長寿」や「なし」にすることもできるが、そうすると今度は高齢の武将がいつまで経っても死亡しなくなってしまう。 寿命を延長できるイベントやアイテムも存在するが、イベントは対象がランダムであるため狙った武将の寿命を延ばすのは難しく、アイテムは絶対数自体が少ないうえ他の勢力が保有している場合も多い。 前作『13』では不自然死は一律20年間長生きできたうえ、寿命延長アイテムも豊富だったため、一層短く感じる。 発売当初の問題点(改善済み) 反乱や引き抜きが異様に多い。特に第二軍団以降に所属する武将に褒美をやれなかったため、遠征を繰り返すと忠誠がぼろぼろになり、引き抜かれる事が多かった。 太守が任命出来ない上に褒美を与えられないので後半になると「駆虎呑狼」が猛威を振るい、次々に太守が独立する悪夢が繰り広げられた。「駆虎呑狼」はこちらが使う分にも成功しやすいのでシリーズ初期クラスの凶悪さを誇っていた。 一騎打ちがランダムで発生する都合上、突然文官同士が一騎打ちをしたり、文官が一方的に呂布とか張飛といった猛将に一騎打ちを仕掛けられて殺される事が多かった。これも方円の陣に一騎打ち回避効果が加わる事で改善された。 陣形のバランスが悪く、特に防御系の陣形は選ぶ価値が無いほど使い勝手が悪かったが、アップデートにより戦法の発動率の調整といった調整が行われた。 人材捜索の失敗報告や兵糧の買い付けなど、無意味にクリック回数が増える事が多いクリックゲーと化している部分もあったがアップデートにより簡略化された。 歴史イベントで「登場人物がイベントに参加可能」の条件が厳しく、「出陣」「関に所在」「移動中」では参加できないため、虎牢関に呂布が引き籠っている間に王允が引き抜かれて連環の計が起きなかったり、曹操軍に攻められまくるのに諸葛亮に会うために一定期間引き籠らなければならない桃園三兄弟等の不自由が見られたが、アップデートで条件が緩和された。 CPUの「地域懐柔」がうざい。 かなりの頻度で地域懐柔で府を取られる割には防衛手段に乏しく、知力の高い軍師や太守を配備したとしてもあまり意味が無い。アップデートにより成功率の調整や懐柔を防ぐ「輿望」の個性が追加された。 総評 ユーザーの中でも人気の高い『IX』及び『11(*4)』の流れを組む上に府や兵站といった新システムも領土を塗り絵に見立てたシンプルでわかりやすいシステムであるために敷居はそれほど高くない。 システムこそシンプルではあるが、様々な個性や陣形を持つ武将を取り合わせる事で奥の深さもあり、施政や政策によってプレイ感も千差万別に変わるために自由度も高い。 近年の『信長の野望』及び『三國志』シリーズは「無印の時点では計略や災害、軍団委任といったあってしかるべき要素を省いてパワーアップキットで大々的に新要素として実装する」といった事が多く、 無印は買わずにPK待ちという扱いを受ける事が多かったが、本作は発売された時点でいつもの不満点は概ね解消されており、久々に無印の時点で満足が出来る完成度を満たしている。 発売当初には上記のような問題点も見受けられたが早い段階でアップデートによって改善されており、今後の展望が望める状態になっていた。 余談 近年の作品と同じく様々なコラボをしており、『銀河英雄伝説』や『ライザのアトリエ』『パリピ孔明』等の武将をダウンロード出来た。 これらの特殊版権キャラは設定にかかわらず処断する事が出来ないという仕様となっている。 本作は久々に無印の時点で満足が出来る完成度を満たしているのだが、これは純粋に過去作の反省点を活かしたというよりは、同社の無双シリーズにおけるとある事件が尾を引いている可能性が高いと言われている。 『戦国無双4』発売と同年の2014年にカプコンが「無双シリーズの"MIX JOY"がカプコンの所有する技術の特許に抵触している」としてコーエーテクモゲームスを訴える事件が発生。裁判は泥沼化の様相を呈した末、2017年12月に"MIX JOY"の特許に対するカプコンの訴えを退ける判決が下ったものの、カプコンが控訴。2019年9月の控訴審ではカプコンが勝訴し、最高裁でコーエーの上告が棄却されたためカプコンのほぼ完全勝訴が確定した。 これにより『戦国無双4』以降、無双シリーズにおける『猛将伝』は完全に独立した別作品やDLC拡張に形を変えて事実上廃止に追い込まれた経緯があるため、コーエー側も神経質になっている可能性がある。 『信長の野望』及び『三國志』シリーズにおけるパワーアップキットは『猛将伝』などとは異なり追加要素のみ遊べる単独ディスク方式ではないため、裁判の影響は受けないと思われるが、追加要素を前提としたいわゆる「コーエー商法」は以前からファンの間でも批判があったため、『猛将伝』の廃止を機にSLG系でもPKを廃止すべきだというユーザーも居る(*5)。 [部分編集] 三國志14パワーアップキット 【さんごくしふぉーてぃーんぱわーあっぷきっと】 三國志14withパワーアップキット 【さんごくしふぉーてぃーんうぃずぱわーあっぷきっと】 ジャンル 歴史シミュレーションゲーム 対応機種 Windows 8.1/10Nintendo Switchプレイステーション4 メディア 【Win】DVD-ROM【Switch】ゲームカード【PS4】BD-ROM 発売・開発元 コーエーテクモゲームス 発売日 2020年12月10日 定価(各税別) PK【Win】6,830円【PS4】5,830円with PK【Win】11,880円【Switch/PS4】10,780円 判定 なし ポイント 結局発売されたPK商法発売当時はバグまみれ編集に代わる新たな目玉の不在異民族が『12』以来の登場無印プレイヤーに厳しい金額設定 三國志シリーズ 概要(PK) 今作はPK(パワーアップキット)の従来要素をDLCに、PKでは遊び方が変わるものを出すという触れ込みであったが、システムに大きな変更は見られなかった。 ユーザーの信頼を裏切ったものの無印の評判は良く、僅かながら期待する声もあったのだが…。 追加要素(PK) 新シナリオやイベントの追加 襄陽の戦い直前である「二袁の思惑」「赤壁の戦い」「関羽包囲網」といった事象の直前のシナリオが追加。後期シナリオも238年の「遼東征討」が追加されている。 追加仮装シナリオの「英雄乱舞」は「英雄集結」の亜種だが劉備三兄弟や孫堅と2人の子がそれぞれ独立勢力になるなどかなり細分化されており、呂布軍以外は武将が15人で構成されている。人数バランスの良さに加えて、「ジジイ軍団の黄忠軍」「病弱な曹仲軍」「公式コメントに匙を投げられた夏侯楙軍」「曹操が君主でなく関羽配下」などネタ要素も多く好評である。 無印ではスルーされた「孫堅の戦死」や「赤壁の戦い」の歴史イベントも実装され、従来の作品に近い内容となった。 「偽報」の追加 部隊を罠に誘い寄せるといった「偽報」の要素が追加。これによって偽報に関する個性も増えている。 「歴史イベント」の作成が可能になった 「外交」で土地を条件に出来るようになった 無印の問題点であった「外交」での同盟延長が出来るようになった 人材コマンド「仲介」の追加 武将同士に婚姻や義兄弟を設定出来るようになった CPUは使用しないプレイヤー専用の機能 評価点(PK) 新モード「戦記制覇」の追加。 決められた勢力ごとのクリア条件をクリアしていくショートシナリオ。短時間でクリア出来、クリア時の成績に応じてスコアが残せるのでスコアアタックをする楽しみもある。 シナリオごとに専用イベントが用意され発生させる事でスコアが良くなったり、不利になったりする。 イベントが発生すると不利になる事が多いのでスルーしてクリアする事も可能だが、したとしてもスコアは望めなくなる。 またDLCでシリーズ初となる三国時代の最終期である呉討伐のシナリオが初めて登場した。 ゲームをセーブする事でも減点対象となるのでリロードによるズルも通用しづらい。 「地の利」の追加 州の過半数(2都市以下の州は全域)を支配する事で州に応じた「地の利」が得られる。各種補正や他国との「交易」が含まれる。 補正は移動の短縮、自動占領範囲の拡大、登用成功率上昇など、内政や人事に関わるものが中心。 異民族・交易は特に要素として大きいのでそれぞれ単独項目を参照。 異民族の追加。 『IX』のようにマップに異民族の拠点が追加され、桁違いの兵力と異民族武将が控えている。 特定の都市を支配することで外交する事ができ、友好イベントを発生させると戦争で使える武将を派遣してもらえる。 また本拠を武力で制圧することで異民族の武将が配下になる。 異民族武将は内政に参加できないといった制限があるものの専用の非常に強力な戦法を持っていたり、個性の面で優遇されていたり、率いられる兵数が20000になっており捕縛もされないと戦力としては非常に頼りになる 「交易」の追加 上述の「地の利」の一種であり、交易相手として「ローマ帝国」「パルティア王国(*6)」「クシャーナ朝」「インド」が登場し、それぞれ司隷・雍州・益州・交州の「地の利」を得ることで交流可能。武将と物資を派遣する事で交流し、友好度を高める事で様々な名品や新技術、戦法を取得できる。また、武将にも大きく経験が入るので育成にも向く。 名品は各地域に1種類あり、それぞれ統率・武力・知力・政治の各能力+10に加えて、前者2つは退却確実・後者2つは寿命延長の効果を兼ね備えている。強力であるうえ、寿命延長の医書が手に入りづらい蜀と呉が寿命延長の名品を手に入れやすくなっているためバランスも取れている。(*7) 戦法の書は「クシャーナ朝」で得られる阿修羅陣が特に強力であり、特に北伐以降のシナリオの蜀では知力上昇の名品と併せて交易のない無印版とは比較にならないほど闘いやすくなる。 ただし、交易相手同士で争いを始める事もあり、敵対勢力に肩入れすると友好度が下がってしまう事もある。 新個性、新戦法の追加 負傷兵がいなくなりやすい「粗暴」等の個性が追加。一部の武将の個性がさし変わっている。 新戦法も追加。于禁や曹丕、馬騰などに固有の戦法が増えた。 アップデートにより、制限はあるものの新個性を自作する事も出来るようになった。 問題点(PK) 武将編集のデータが読み込めない(現在は改善) 発売当初は編集した武将データが読み込めず強制的にリセットされていた。 かなり深刻で能力を弄っただけでも読み込めなくなることがあった。 強気すぎる値段設定。 無印から買っていたプレイヤーは安い方のPS版でも無印で9,680円、PKは5,830円、シーズンパスは1と2があり各4,950円であり、全て買い揃えるのに2万5000円以上必要と相当割高である。 withPKであれば10,780円となりPKが実質1,100円であるため、シーズンパスと合わせても20000円少々で済むがそれでも割高には変わらない。 シーズンパス2は戦記制覇モードおよび本編の追加シナリオと旧作の顔CGがメインとなり、機能としては「新名品作成機能」ぐらいしか増えずに旨味が少ないため、シナリオに拘りがなければ買わないという選択肢も取れる。 withPKの差額1100円自体はDLCシナリオのDLCが315円であることを考えれば、PK追加シナリオ5本を目当てで買うだけでも元が取れる額である。 PKの追加内容が薄い。 武将編集、ゲーム中編集や超級難易度、新名品登録といった従来のPKに含まれていた要素がシーズンパスに含まれてしまったために未収録。 特に編集機能はPKが初登場した「IV」にすらあったので実質有料化されたものとなる。 また、無印と共通する問題点となるが、本作の武将編集はマスクデータ(義理、野望、好戦等)の編集が不可というかゆい所に手が届かない。これも初出となる「IV」ですら可能であった。 マスクデータの存在は編集機能の販売後にアップデートによって公になったが、編集機能のアップデートは行われなかったので、見えるのにいじれないという中途半端な状態が放置されたままとなっている。 新武将のマスクデータがいじれないので、ライバルとして強力な新武将の勢力を作成してもAIが弱く、大した脅威にならずに消えていくことも珍しくない。 異民族はOFFにすることができない。 プレイヤーに関しては使いたくなければ使わなければいいだけの話だが、異民族武将はCOM勢力も使用してくる。味方で頼りになると言うことは敵に回すと厄介ということでもある。 特に弱小勢力で耐えている際に大軍で攻め込まれると消耗させられるうえに捕縛登用もできず鬱陶しいことこの上ない。二虎競食で関係を悪化させれば去らせられるが、弱小勢力だと計略が満足に使える保証もない。 またある意味、下記の項目にも繋がっている。 晋陽バグ 都市が晋陽のみ、もしくは+幽州の都市のみで異民族の鮮卑の武将がいる勢力を降伏勧告すると、降伏したはずの勢力の武将が全て在野になるというバグが発生する。最終アップデートでも修正されることはなかった。 晋陽は山に囲まれている上に隅っこの都市なので勧告で済ませたくなる都市であり、バグの影響は大きい。 二虎競食で関係を悪化させるのが一般的な回避方法である。 偽報の問題 CPUがあまり使用してこないので空気と化している。 「偽報」に関する個性が多数追加された事やそれに伴う変更で既に個性枠が一杯の武将は一部の個性が差し替えられる形になってしまった。 特に龐統は「人脈(登用・探索にかかる日数が半減)」が「察知(周辺の部隊の「偽報」状態を解消)」に変更されたため、明確に弱体化させられる憂き目にあってしまった。 後期シナリオの問題点 早期特典として無印の「249年正始政変」よりもさらに進んだ「263年 蜀漢の滅亡」が追加されたが、そのままの状態ではプレイが困難 末期武将が追加されていない上に、武将が167人しかおらず、不自然死の仕様から蜀の武将の大半が没年を迎えており、すぐに死んでいくなど通常プレイが著しく困難となっている。 『晋書』日本語訳の公開が進んでおり、新武将作成も難しくないので、この時代の人物を大量に登録するのも手。なお、新武将枠150人を全部使っても、全盛期の武将数には及ばなくなっている。 また、新武将に設定できる生年は250年が下限なので、あまりゆっくりしているわけにも行かない。 武将不足を補うための「古武将」も開始時点で全員が94歳となっているため、仕様の壁を越えられずに6年ほどで死んでしまうのも痛いところ。コラボ武将ならば不死身なので使用可能だが… 結果、武将不足で内政が行き届かずに賊が跋扈し、戦闘は異民族武将を雇い入れる事となりがち。ある意味五胡十六国時代を先どっている この状況では「後方の都市を放置してでも前線に武将を集中させる」ことができるプレイヤーが圧倒的に有利であり、滅亡寸前であるはずの蜀でもあっさり統一できてしまう。作業感に耐えられればだが……。 コンピュータに任せると、寿命の関係で、高確率で蜀呉の武将が死に絶え、魏が生き残り勝利となる。 無料アップデートで追加された内容の説明不足 詳細不明な設定値や組み合わせの可否が解りづらい「新個性編集」 アップデートで追加されたが内容が一切不明な「異民族大進軍」 発生条件や効果の不明な「大統合」 上記の3つの追加機能は公式からの詳細な説明も無く、マニュアルにも追加されなかった 特に「異民族大進軍」に関しては、ゲーム内のどの要素を指しているのかすら不明 総評(PK) 内容的には良作であった無印を引き継いでおり、新個性エディタやイベントやシナリオの増加と言った改良点もあるが。 シーズンパスによって従来のPKであって当然だった機能が省かれてしまい、有料化した上にシーズンパスを導入したとしても機能が不完全という新たな問題点まで生む結果となってしまった。 なまじ無印の時点で満足の出来る完成度に達しているため無印から購入したプレイヤーはさらにフルプライスの金額を払って購入するほどとは言い切れないところであり、実際に購入を見送る無印プレイヤーも少なからず見られた。 withPKでの差額1100円であれば問題のない値段であるため、三國志14自体を今から始めるプレイヤーはwithPK版で問題ないだろう。 念を押すが間違ってもバラバラに買わないように。
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/2738.html
今日 - 合計 - 三國志IIの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時44分07秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/5918.html
三國志IV 【さんごくしふぉー】 ジャンル 歴史シミュレーション 対応機種 PC-9801、FM-TOWNS、Macintosh、Windows、スーパーファミコン、3DO、セガサターン、メガドライブスーパー32X、プレイステーション 発売・開発元 光栄 発売日 【PC98】1994年2月26日【FMT】1994年6月2日【SFC】1994年12月9日【3DO】1995年3月28日【SS】1995年4月28日【32X】1995年7月28日【PS】1995年9月29日 定価 【PC88/Mac/SFC/3DO/SS/32X】14,800円【PS】10,800円(各税別) 判定 良作 ポイント 初期シリーズの完成形妖術師諸葛亮シリーズ初のパワーアップキット実装 三國志シリーズ 概要 前作からの改良点 本作のシステム 武将 異民族 戦争 シリーズ初のパワーアップキット実装 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『三國志』シリーズの4作目。 それまでのシリーズと同様に三国志の群雄の一人になって中国全土の統一を目指すことが目標。 前作『三國志III』のシステムがベースとなっているが、様々な部分がプレイしやすいように改良されている。 また、各武将に「特殊能力」が付くようになり、個性が増した。 前作からの改良点 内政は「開発」「治水」「商業」「技術」の4つの項目に分かれ、それぞれに内政資金と実行武将を設定することで毎月資金を消費しながら自動で行われるようになった。都市内にいる武将を選択することで発展の様子をコメントしてくれる。資金がなくなると働いてくれなくなるので、その場合は工面する必要がある。また、内政や訓練等に従事していても(効果は半減するが)他のコマンドを実行することが可能。2人まで同じ内政分野に取り組めるが、相性の近い者同士で組むと消費資金が少なくなるというメリットがある。反対に相性が遠い(悪い)と消費資金が増加する。また、マスクデータとして「内政経験値」があり、内政経験を長期間積んでいる武将は、能力値の少々高い新参武将よりも効率が良い。 兵士の「訓練」は従事する武将を選んだ後、月数を指定して行う形に変更。ただし、内政と違って途中で担当官を解任する事は出来ないため注意を要する。 前作では身分に応じて実行できるコマンドが決められていたが本作では撤廃された。しかし、「諜報」や「外交」等は「特殊能力」を持つ武将でなければ実行できない。また、一般武将を太守にした際の強制委任も廃止された。 それまでのシリーズでは委任していなければ毎ターン必ず各都市に命令をする必要があった。 しかし、本作では自ターンであれば任意の都市を選択して好きなタイミングで命令することができるようになり、テンポが劇的に改善された。 パラメーターが最大になった、資金が尽きた、期間が満了した等で状況に変化があればターンの初めに報告してくれるので、その都度、命令し直すだけでよくなっている。 同様に戦争中の部隊への命令も任意の部隊から選べるようになり、移動範囲も一括して表示されるように改良されている。 「捜索」「密偵」の範囲が地方単位となり、個々の都市をわざわざ選択する必要がなくなった。 「新武将」のシステムが改良され、武将同士で親子関係を結べるようになった。 前作の「新武将」は全能力がランダムで決まっていたのでアンバランスな能力になりがちだったが、今作ではこれまでの新君主と同様にボーナスポイントで任意の能力を増加させる方式になり、ある程度は好きに決められる。 本作のシステム 武将 各武将には「特殊能力」が設定され、戦争で特定の計略が使えるようになる。「外交」が行える、「諜報」ができるといった個性付けがされるようになった。 これにより能力が多少劣っていても「特殊能力」があれば活躍できる可能性が産まれ、より個性が出てくるようになった。初期保有最大は諸葛亮の21個、最低は夏侯楙の0個。 特に在野武将や捕虜を登用するのには「人材」の能力が必須であり、「人材」持ちはそれほど多くないため、どんな武将でも重宝された。 逆に言えばどんなに能力値が高くても、該当する「特殊能力」を所持していない武将は、「外交」や「情報」を行うことはできない。「偵察は手の空き気味な低能力武将の役目」という前作までの認識は改める必要がある。 マスクデータである「経験値」を貯めることで、「特殊能力を習得する」という成長も可能。 前作のパラメーターである「陸指」と「水指」は「統率」にまとめられ、部隊の攻撃力に関わるようになった。得意とする兵科の特殊能力(「歩兵」「騎兵」「弓兵」「海戦」)があり、中でも「海戦」はそれなりに貴重な特殊能力であるため、それを多く持つ傾向がある呉の武将が海戦で有利なのは変わらない。 武将同士の血縁関係や、字や異名といった要素もマスクデータとして実装された。これにより「一騎討ち」等で武将のセリフが細かく変わり、より個性的になった。 異民族 本作で「異民族」の要素が追加された。マップ上にはおらず、「外交」で他国の都市の襲撃を「要請」する形で登場する。 後のシリーズに比べるとそれほど強くはないが、撃退した際に「異民族」の武将を捕らえることがある。それまでのシリーズに登場していた南蛮の孟獲達は本作では「君主」ではなく「異民族」として登場している。 異民族との戦いは自動で行われる。迎撃しなかった場合は都市を荒らされてしまい、内政値などが下がってしまう。 異民族は辺境の都市を中心に襲うため、マップの端の都市でも安全とは言えなくなった。 異民族は羌・山越・南蛮・烏丸の4種類が存在し、襲撃対象に入っていない都市は全都市のうちの3分の1程度に過ぎない。実に中国全土の約3分の2が異民族の脅威に晒されているのである。 PK版での追加シナリオでは孟獲や羌の徹里吉も君主として使用可能になっている。今作では建寧・雲南といった都市が削除されているため、孟獲が江州・永安を支配しているという珍しい場面を見ることができる。 戦争 各部隊に「大将」の他に「副将」を最大2人つけることが可能。各武将の「統率力」が部隊の攻撃力に関わるため、多少能力が劣る武将でも、固めることで優秀な武将一人の部隊にも太刀打ちできるようになっている。また、「知力」の高い武将を「副将」に混ぜることで猪武者の補佐ができるようにもなった。 そのため、個人管理だった兵士は都市管理となり、出陣の際にそれぞれの部隊に割り当てる形となった 計略などの「特殊能力」は部隊に所属する各武将が使用する。そのため、「副将」を多く連れることで様々な「特殊能力」を使用できる。 「特殊能力」の使用は武将の体力を消費するので同じ「特殊能力」を持つ武将を固めると使用可能回数が増える。 …といいことづくめのように見えるが、部隊が壊滅すると武将が全員捕縛されるデメリットもあるのでその点も踏まえる必要がある。 戦闘中の「計略」が増加。ただし実行には「特殊能力」が必要になるため、武将によってはまったく「計略」が使えない場合も…。 前作で導入された「武器・兵器」の種類がさらに増えた。「弩」「強弩」「連弩」「衝車」「発石車」の5種類。 「弩」「強弩」は商人からも買えるが、都市の「技術力」を上げた上で特殊能力「製造」を持つ武将に製造させることでしか、「連弩」「衝車」「発石車」は入手できない。 技術20で「弩」、技術40で「強弩」、技術60で「連弩」、技術80で「衝車」、技術100で「発石車」を製造できるようになる。 弩3種類は技術が上がると1ヶ月に作れる数も増える。 強弩は弩の2倍、連弩は弩の3倍の威力がある。なお火矢でさらに通常の1.6倍の威力を出せる。 更に弩部隊を特殊能力「弓兵」を所持した武将が率いると攻撃力+100%。 「衝車」「発石車」は「攻城兵器」であり技術力をかなり高めてからさらに製造に17ヶ月もかかるが、攻城戦を有利にすることができる。 「衝車」は城門を直接攻撃し、「発石車」は投石で敵部隊や城門を攻撃する。 戦争で守備側が迎撃してきた場合は必ず「野戦」が挟まるようになった(*1)。守備側が「野戦」で退却するか、迎撃せずに立て篭もった場合は「攻城戦」へ移行する。 「野戦」では守備側の軍師が戦う前に罠を仕掛けることが可能。前作にも登場した「落とし穴」の他、火計をかけると一面が一気に燃え広がる「柴草」が追加された。これにより、敵部隊をおびき寄せてから火計で焼き払うといった「博望坡の戦い」のような戦い方が可能。 「攻城戦」は城門前の戦いとなり、攻撃側は守備側を全滅させるか、城門を開けた後の「最終決戦」に勝つかが勝利条件となる。 城門は防御度が高く、通常部隊の攻撃でこじ開けるのは困難(*2)なので、状況に応じて守備隊を全滅させるか、城門を狙うかを定める必要がある。 守備側は部隊を城壁の上に配置することができ、「落石」や「弩」で妨害することが可能。対して攻撃側は城壁に取り付くことで自動的に梯子をかけることができ、これをよじ登ることで城壁の上の部隊を攻撃できる。 梯子につかまっている状態の部隊は防御力がガタ落ちになるほか、「落石」を受けると一段下に下がってしまうため、そこを狙われると被害は少なくない。特に攻撃側は注意しなければならない。 城門の防御度が0になると開門し、「兵力」か「武力」かを決めて「最終決戦」が行われる。 「兵力」:互いの兵力を元に自動的に勝敗を決する。 「武力」:互いの武将を一騎討ち(1~5回)させ、勝った回数が多い方が戦争の勝者になる。一騎打ちで戦争の勝敗が決まるというのが珍しく、「発石車」で門をこじ開け、一騎討ちばかりをするという某三国志アニメのような戦法を取ることができる。そのため、一騎討ち要員を戦場に連れて行く重要性も高まった。 「武力」を選ぶと戦場に出ていなかった武将も引きずり出されることになるため、攻められた側からは武力の低い文官タイプが一騎打ちに参加する羽目になる、といったことも珍しくない。 また、「弓兵」の能力を持っていると一騎打ちで逃げ出した武将を矢で一撃で仕留めるため、かなり有利になる。 戦後処理では従来の「登用」「解放」「斬首」に加え「牢に繋ぐ」ことが可能となった。 「登用」を断られたが「解放」も「斬首」もしたくない武将を捕虜のままにしておくことが可能。後で「登用」する(*3)他、「外交」で物資を条件に解放することもできる。このような仕様のため、今作では捕えた武将を解放するメリットは皆無に等しい。 敵君主の領土と武将を全て奪った場合、戦後処理で直接君主を「登用」することが可能となった。運が良ければ曹操・孫堅といった有能な君主を殺さずに配下にできる。 もちろん断られた場合は「斬首」か「解放」するしかないので賭けにはなるが、「登用」できた時の喜びはひとしお。 君主を捕らえた際にその君主の所領が攻め取った都市と隣接していない所にしか残ってない場合は解放もできず「斬首」しかできなくなる。 シリーズ初のパワーアップキット実装 本作で初めて「パワーアップキット(PK)」が実装されるようになった。仮想シナリオの追加に加え、武将と都市のパラメータを自由に弄れるエディタ機能等が追加された。 本作以降のPK版にはエディタ機能の搭載が定例となっているが、これには前作で発生した「三國志III事件(*4)」が背景にあると思われる。 エディット機能搭載により、納得のいかない武将の能力をいじったり、寿命や義理といったマスクパラメーターをいじったりと、好きなような遊び方が出来るようになった。 『信長の野望 天翔記(*5)』や『水滸伝 天命の誓い』の武将を登場させることも可能(*6)。 自分で武将の顔を描くことが可能になった。これにより、新武将はもちろん、既存武将の顔も好きに描き換えられるようになった。描画は8色のドット絵であり、 あくまで自力で描かなければならない。 Windows版以降でも、既存の画像と差し替えられる機能は無い。 「一騎討ちモード」が追加され、登場年代を無視した武将同士の一騎討ちが見られるようになった。 各武将に武将列伝が用意されるようになり、その武将がどんな人物なのかが参照できるようになっている。 コピー印刷しようとしても真っ黒になる特殊印刷の説明書を使ったマニュアルプロテクトを採用している。 しかしこれも、半紙を挟んでコピーするとコピーできてしまった。 評価点 各登場人物がよく喋るようになった。 内政を1つとっても「我々も働いているのだが今ひとつ…」といったボヤキや、「資金が沢山あるから仕事が進む」といった報告をくれるので状況の把握に加えて愛着が湧きやすくなっている。 割り当て資金が尽きている状況の台詞では、まさにその武将の本性が出ている。脳筋だと仕事をサボる労働者へ怒鳴り散らしたり、担当者どうしの相性が悪い場合は相手に公金横領の疑いを掛けたりなど。 城の兵士も訓練度が低い場合は「おい、隙を見て逃げ出さないか」と言ったりするが、訓練度が上がってくると「そこらの敵には負けないぞ!」と意気込んでくれる。それまで単なる数字だけだった兵士にも存在感が出た。 武将の異名や字も実装されたため、一騎討ちの際に「我こそは燕人張飛」「呂奉先を知らぬか!」という小説等でよくある名乗りをしてくれるようになり、様になっている。 戦後処理でも武将が喋るようになった。ただし処断した時は何故か「うわぁー」「ぐぇー」といった妙にコミカルな断末魔で死んでいく。 本作ではPK版に限り、武将エディタで能力を変更した後にその武将からツッコミが入る(*7)なんて細かい芸まで。 何らかの手段で「外交」能力を得た脳筋武将を交渉ごとに派遣したときの台詞が笑える。 「なんか良くわからんが……」と口上を述べたり、成功の報告が「酒が美味かった」だったり。 前作からの改良点により戦争と内政が非常にテンポよく進むようになった。 特に委任していなければ全ての都市のコマンドを順に入力しなければならないという面倒さから解放されたのは大きい。 コマンド(内政、訓練)の効率が良い(訓練度が高い)ほど都市内の武将のアニメーションが活発になるため、状況を把握しやすくなっている。 前作に引き続き、パラメーターの色による表現が採用されており、パラメーターが低い場合は赤、普通ならば黄、高ければ青で表示される。本作では金や兵糧等の都市パラメーターがマップ上に一斉に表示されるようになったためこの表現と相性がよく、一目で各都市の状況を把握できる。 特に「民忠誠度」が赤色(59以下)で表現されるようになると住民反乱の危険があるため、黄色以上に保たなければ非常に危険である。 歴史イベントの増加 それまでは「貂蝉」が武将扱いで登場するか(前作)、なぜかエロイベント(『II』)だった「美女連環の計」が正式な歴史イベントとして追加された。3ヶ月にわたって演義と同様のイベントが行われる。 ただ、普通にプレイしているとなかなか発生しない(*8)条件が多く、隠し要素的な意味合いが強い。 PK版ではさらに「袁家後継者騒動」や「銅雀台作成」といったイベントも追加された。 長生淳氏作曲のBGMについては、戦略画面で勢力が増大するにつれ曲が変わっていく、戦場で自軍が優勢・互角・劣勢につれ曲が変化する、などの前作にもあった仕様を採用している。 勢力拡大や戦況の変化をBGMからも上手く盛り上げてくれる。 賛否両論点 「埋伏」のチートじみた強さ・便利さ 配下武将を相手勢力に仕官させる計略で、忠誠度95以上の武将のみ実行可能。 戦争で敵兵を連れたまま寝返らせることができるため、敵の兵力を減らすと同時に兵力増強までできて非常に強力。 一応、埋伏させたはずの武将が特定の条件(*9)で本当に相手勢力に寝返ってしまうリスクもあるが、それを考慮しても強力。 PK版では成功率が下方修正された。後のシリーズでも、知名度や能力の高い武将は埋伏させようとしても成功率が極端に低下したり、二線級の埋伏武将が運よく登用されても兵を持たせられる可能性が低くなるという形でバランスを取るようになった。 なお、うっかり埋伏させたまま開門・武力勝負してしまうと、埋伏させた強い武将と一騎打ちする羽目(引き分けになる効果もない)になる。 また、「埋伏」を使うことで「将軍・軍師に一度任命した武将を忠誠度の低下なしに解任できる」というのも地味に便利であった。 将軍・軍師は戦場での体力回復が早くなるなどの恩恵が得られるが、通常の武将より支払う金や兵糧が高い。かといって将軍・軍師から「解任」しようものなら忠誠度が下がる。埋伏させるとその武将は復帰時に一般武将に戻るので、実際にはノーリスクで将軍・軍師から解任していることになる。 埋伏中の俸禄支払いも節約できる。 劉備のような貧乏な勢力だと、こうした所での節約が序盤の支えになってくる。 武将捜索の仕様 今作から「捜索」は州単位になったため、各都市を捜索する煩わしさは改善されたが、その一方で武将が発見されるかどうかはほぼ運任せになった。 そのため配下にしたい武将が登場する年になり、その州を捜索したにもかかわらず、なかなかその武将が発見されないということがよくある。 捜索できる州も該当州を支配しているかどうかに関係なくできるため、はるか遠くにある勢力が支配している州から武将を見つけてくるという、従来のシリーズと比べるとやや違和感の残る仕様になってしまった。 シナリオ面 今作も前作同様、『三國志』や『II』で選択できた215年の三国鼎立直後(*10)のシナリオは採用されていない。 このシナリオ選定は不評だったのか、次作『三國志V』からは再び採用されるようになる。 また『II』から今作まで採用されてきた221年の三国時代開始(*11)のシナリオは、本作を境に後のシリーズではあまり採用されなくなっていく(*12)。 「三国鼎立」と言っても、215年から221年頃の中間にあたる219年(*13)を舞台にすることが多い。 問題点 COMの思考があまりにもお粗末(PS版) ゲームレベルが「普通」「上級」問わず、COMはまともに領土拡大や人材配置を行わない。基本的に内政重視型の思考なのか多数の武将を抱え複数の領地があると1都市に武将を集中させ、片や一方は武将が一人という何がしたいのか意味不明の行動を取り続ける。そのため自軍が攻め込み都市を得ると、かなり開発が進んだ状態が多いので開発の手間が省けるとも言える。 さらにCOMのみ武将の移動制限がかからない。例を挙げると劉備軍が譙に武将を15人配置しているのに翌月には下邳に14人移動していたりする(譙と下邳間には徐州が在る)。 COMは場当たり的に戦争を仕掛けても積極的に戦争を行わない一方、羌王や山越王などの異民族に執拗に貢いでいるのかプレイヤーの所有都市が上記勢力の影響地域に入ると嫌がらせのごとく侵略要請を仕掛けてくるのでかなり鬱陶しい。撃退することもできて、運が良ければその勢力の武将を捕虜にもできるがプレイヤーも貢いで敵対度を下げておくと侵略されても早々に引き上げるなど乗り気ではない様子を見せてくれる。しかし兵士が居ない場合でも撃退に成功する時があるので撃退一択では有る。なおプレイヤーが先に侵略要請を許諾させると他勢力の要請が通らなくなる模様。 偽アイテムでも能力値などの上昇効果が本来の効力を発揮してしまう。 本作でもアイテムは健在だが、武器、名馬、書物などアイテムを参照した際に上昇数値やアイテム効力が表示されないものは偽物で、武将に与えて忠誠度を上げるか外交で贈り物にするくらいしか用途がなかった。 しかし、PS版では偽物であってもアイテムが持つ能力値上昇、退却成功率上昇などの効力は本物同様に発揮されてしまうため、非常に強力。SFCに至っては、偽アイテムは自軍の武将には何の効果も出ないが、敵武将では効果を発揮する鬼仕様。 ただし偽アイテムを持つと、たまに訪問する旅人の助言が全て偽アイテムに対する忠告になるため、助言が実質機能しなくなるというデメリットが存在する。 旅人によっては訪問することでアイテムを貰えたり特定の特殊能力を習得することが可能なので、これらを気にする場合は配下武将か他君主に進呈する必要がある。 また、偽玉璽は、魅力と統率が100になる効果は出るが皇帝即位イベントが起こらない。特にシナリオ1ではバグなのか、偽物の玉璽しか手に入らずに皇帝になることができない上に配下にも与えられないので、敵君主か異民族に渡す以外に手放す方法がない。 武将数の減少 胡赤児・典満等の後漢末のマイナー武将が削除され、全体的に武将数が減少してしまった。ただし三国時代後期の武将数自体は増加しているので、後半のシナリオは前作よりは若干楽になっている。 年代が若いシナリオでは武将数減が響いて来ることがあり、捜索の仕様変更により迂闊に武将を斬って数を減らしてしまうと後々苦労することになる。 このため、本作では武将を捕虜にできたり、戦争による戦死がほぼ無くなったため(*14)、武将が死ににくいバランスに落ち着いている。 兵科・兵器のバランス 「衝車」は性質上、城門に接していないと使えないため「落石」の格好の的になり(*15)、使い勝手が悪い。「発石車」は城門から離れて攻撃が可能なので実質「発石車」一択となっている。但し、製造するのに技術力が最大値の100必要であるため、かなり投資しなければならないのはネック。 同様に、武装も「連弩」が非常に強力であり、兵力3万の部隊に持たせると(*16)一度の攻撃で3,000人近くの兵を倒すことができる。もはやマシンガン。しかもこちらは技術力60程度から製造することができるため、割合早くから登場させられる。 一例を挙げると、特殊能力「弓兵」持ちの将軍に任命してある武将(将軍になると戦闘での攻撃力が上がる)を3人編成し兵3万を預け、天候が豪雨で(弓部隊攻撃力UP)敵部隊が川(*17)にいる際に連弩で攻撃すると敵部隊の兵数にも寄るが1回で6000ほど持っていく場合がある。関での戦いも関の上に連弩部隊に陣取られると一方的な虐殺の様相となり正攻法で攻め落とすのは最早不可能。また、前作にあった使用回数も撤廃されたために弾切れの心配もない。チートと揶揄される程の強力さ故か、前作までのシリーズのような戦闘を楽しみたいが故に連弩縛りをするプレイヤーも。 「騎馬」は野戦では強いものの、攻城戦では梯子をかけられない上に登れないため、衝車以上に役に立たない。幸い、攻城戦に移行する際に兵を再編成できるので、野戦だけ使って歩兵か弩兵に再編成するしか使い道がない。 最初から籠城された場合は当然ながら再編成できないため、ほぼ戦力外になるし、兵器のように馬を製造することも出来ないのでそもそも編成しにくいと、使いにくい兵科になってしまっている。 住民反乱がきつい 空白都市に移動することで占領することが可能だが、「民忠誠度」が低いことが多く、住民反乱が起こりやすい。 住民反乱は季節の変わり目で発生するので、序盤はきつい面もあるが、それを見越した領土拡大と施し用の武将を連れて一気に6~70程度まで上げればある程度は防げる。計略は仕方ない。 住民反乱が起こると兵士を含めた都市パラメーターがズタボロになる上に「民忠誠度」もガタ落ちになる。上げるのには膨大な施しが必要になる上に、上げている途中にも起こる可能性があり、最悪ドツボにハマる。 なお民忠が高くても敵国が計略してくると否応なく住民反乱は起きる。民忠誠度が90程度でも一発で住民反乱が起こる時があり理不尽この上ない。ちなみにプレイヤーが1都市に執拗に住民反乱を仕掛け続けると洛陽や長安でも人口が1000人を切る。ここまで下げても民忠誠度を80まで上げると土地・治水・商業が0であろうと収入がそれなりに入る。あくまでも都市の規模により収入が決定するので、人口数は然程影響を与えない仕様。 新武将の自由度 パラメーターはある程度いじれるが、特殊能力に関してはランダムなため、文官にバリバリの戦闘向け特殊能力がついたり、脳筋武将に「天変」といった妖術がついてしまうといったことが起こりうる。気になるのならPK版で武将エディタを使おう。 放浪君主が鬱陶しい 戦争で逃がした君主は「在野武将」にはならずに「放浪中」になる。放浪中の君主は登用できない上に定期的に物資をタカリに来るので非常に煩わしい存在になっている。そのせいで斬ってしまったほうが楽になる。 COMの斬首基準が厳しい 今作から、COMが能力の低い武将を斬首するようになった。通常版では武力+知力+政治の合計が150未満の武将は斬首となる。これはかなり厳しく、一芸に秀でていても問答無用で処刑してしまう。 PK版では、どれか一つの能力が70を超えていれば斬られなくなった。しかし、いずれにしても能力の低い武将を愛でるプレイは難しくなっている。 攻められて開門 ⇒ 一騎打ちだと、勝っても都市の物資が0になるというバグがある。 兵力勝負ならバグを回避できる。そのため、クリア直前の攻城戦以外での最終決戦は兵力一択と言っていい程。 総評 それまでボリュームアップを重ねてきた『III』をさらに発展させ、特殊能力といった武将の個性付けを行った。 複雑な要素もなくUIも改良され、難易度も手頃なので敷居が低くシリーズの入門者にオススメできる作品となっている。 本作以降の作品は本作の発展形というよりは陣形や名声、全武将プレイといった独自の路線で味付けがされているため、本作がシリーズの一つの完成形ともいえる。 また、GBA版『三國志』『三國志DS2』は本作コンシューマ版がベースとなっており、モバイル版で移植されたり、SFC版がバーチャルコンソールで配信されていたため、古い作品でありながらシリーズの中では比較的プレイしやすい状況にある。 余談 本作の諸葛亮は特殊能力を非常に多く持っており、他の軍師と一線を画している。 本作は「火計」が非常に強力だが、天候や風向きに左右されるし、これらはころころと変わるので中々思い通りにはならない。しかし、諸葛亮ならレア特殊能力の「天変」「風変」を持っているため思いのままに天候と風向きを操れる。火を放って敵のいる方角に向けて「風変」するだけでたちまち戦場と敵部隊が火だるまになりあっという間に殲滅される。毎戦場で赤壁の戦いのような大勝利を収めることが可能。経験を積めば「落雷」を習得する可能性もあり、そうなると戦場を豪雨に変えて雷を落として一撃で敵(たまに自分も)を瀕死にするといった強さを発揮し、妖術師じみた風貌とあいまって非常に印象に残る存在になっている。 「天変」あるいは「風変」だけを持つ武将は(*18)存在するが、本作の諸葛亮は両方共兼ね備えていて、かつ知力が非常に高いため、ほぼ確実に成功させる点においても異例の存在である。 本作PC版の諸葛亮はパッケージ画像を反映して頭に被っているものがカボチャ型の頭巾と、他シリーズとの顔グラフィックと比べると非常に独特なものになっている(*19)。イメージに合わないとの声があったか、コンシューマ版(SFC版、SS版、PS版等)では冠を被った従来通りの顔グラフィックに変わってしまった(*20)。 後の『三國志VII』では天変・風変に加えてついに落雷を初期状態で修得。 なお、我らが『三國志』シリーズのネタキャラ・曹豹の所有する特殊能力は「罵声」であるが、その知力の低さ故に掛かる敵はほとんどいない「死に能力」である。それでも彼の重要な個性に他ならないため、「曹豹血盟軍」における投稿「魔人の罵声」の由来となった。 そしてスーパー32X版のみ曹豹が一騎討ちにおいて異常に強くなっている事が2022年発覚した。バグなのかスタッフの意図的なお遊びなのかは謎である。 本作は機種毎にBGMが大きく変わるのも特徴となっている。 PC98版 いわゆるオリジナル。音源の都合もあるが、最も曲数が多く、他機種と比べてもメロディーの短縮などが無い。 CS版:曲数はPC98版とほぼ同じだが、久保田邦夫氏によるシンセアレンジ盤『三國志IV 電脳電撃編』からの出典であり、メロディーの追加及び変更がされて雰囲気が大きく異なる。SFC版は人気が高いが、主に戦争時のBGMでメロディーが短縮されている部分が多くみられる。 Win(withパワーアップキット)版 ハンガリー交響楽団の演奏によるサウンドウェア版の流用。CD音源による豪華な仕様となったが、複数のBGMがひとまとめにされてしまい曲数自体が大幅に減少(*21)、特に戦争時は野戦も籠城戦も一騎打ちまで含めた含めてメドレー形式のBGMにされてしまい、戦況によるBGMの変化を感じにくくなった上に本来の一騎打ちのシーンでは何故かPC98版の海戦BGMが使用されるといった問題点もある。同様の問題点は同時期に発売された『信長の野望 天翔記』にも見られる。現在配信されているSteam版もこれに該当する。 どの機種にもそれぞれの長所や短所があり、それぞれにファンがいる。
https://w.atwiki.jp/cwcwiki/pages/149.html
三國志VIII 三國志VIIIID+ゲーム名君主の場合、都市金MAX 新しい武将を作るときのボーナス能力ポイント100 新武将作成時、ふりわけポイント100 新武将1人目の特技を全て取得、戦法が全て「極」 行動力MAX 金9999 治安100 技術1200 戦争時プレイヤーの兵士20000固定(攻撃時) 全武将と親密度が好意以上 ID+ゲーム名 _S ULJM-05240 _G SANGOKUSHI 8 君主の場合、都市金MAX _C0 TOSHIKINN MAX _L 0x205E8030 0x0001869E 新しい武将を作るときのボーナス能力ポイント100 _C0 NEW BUSYOU POINT 100 _L 0x817E9970 0x00020004 _L 0x00000064 0x00000000 新武将作成時、ふりわけポイント100 _C0 SHINBUSYOU NOURYOKU 100 _L 0x817E9960 0x00060004 _L 0x00000064 0x00000000 ↑新武将作成時、各能力の最大値と振り分けポイントが100になります。 新武将1人目の特技を全て取得、戦法が全て「極」 _C0 1RIME TOKUGI ALL _L 0x205D1BC0 0xFFFFFFC0 _C0 1RIME SENPOU MAX _L 0x205D1BC4 0xDDDDDDDD _L 0x205D1BC8 0x0DDDDDDD 2人目以降は +BC h 行動力MAX _C0 KOUDOURYOKU 200 _L 0x005D1B93 0x000000C8 金9999 _C0 MONEY 9999 _L 0x105D1BD8 0x0000270F 治安100 _C0 SECULITY 100 _L 0x005D7324 0x00000064 技術1200 _C0 TECHNOLOGY 1200 _L 0x105D7328 0x000004B0 戦争時プレイヤーの兵士20000固定(攻撃時) _C0 HEISHI20000 _L 0x210E6A50 0x00004E20 全武将と親密度が好意以上 _C0 shinmitudo ALL koui ijou _L 0x805DA9A0 0x00980001 _L 0x000000D5 0x00000000
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/2858.html
今日 - 合計 - 三國志IIIの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時48分02秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/zurich77/pages/14.html
発掘都市と武将名 ()内は未発見武将として登場する年 数字なしはシナリオ開始時、既に未発見状態 シナリオ2 A 都市(本城内)で発見可能な武将 薊 ・・・徐邈 平原・・・崔琰 晋陽・・・貂蝉(191?) 鄴 ・・・蘇由 北海・・・管亥/孫乾 下邳・・・車冑(190) 濮陽・・・伊籍/王粲(193) 陳留・・・典韋/毛玠/高柔(193) /潘璋(196) 許昌・・・戯志才/鍾繇 汝南・・・呂範/程秉(191)/魏延(194)/陳到(194) 洛陽・・・賈逵(199) 天水・・・楊阜(197) 武威・・・馬岱(197) 寿春・・・蒋欽/劉曄(193) 廬江・・・陳武(195) 秣陵・・・張英 呉 ・・・全琮(202)/陸遜(202) 会稽・・・虞翻 紫桑・・・呂蒙(193) 宛 ・・・甘寧/陳震/文聘(197) 新野・・・鄧芝(201)/徐庶(206)/鄧艾(216) 襄陽・・・向朗/馬良(206)/龐統(208)/楊儀(209) 江稜・・・董和 /霍峻(197)/趙累(202)/董允(214) 江夏・・・李通/費禕(212) 桂陽・・・趙範 零稜・・・劉度(191)/蒋琬(207)/劉巴(205) 成都・・・張松/張任/秦宓(192) 建寧・・・李恢(194) B 以下は都市ではなく、地域で発見可能な武将 薊 領内 涿県・・・呉巨 南皮領内 河間・・・簡雍/孫礼(199) 界橋・・・呂曠/呂翔 鄴 領内 白馬・・・趙雲 晋陽領内 雁門・・・司馬朗(190) 襄垣・・・郝昭(195)/郭淮(206) 北海領内 即墨・・・太史慈 濮陽領内 東平・・・程昱 泰山・・・呂虔(192) 下邳領内 広稜・・・呂岱/張紘(194)/陳矯(194) 琅邪・・・諸葛瑾(193)/諸葛均(208)/諸葛亮(207)/徐盛(196) 淮陰・・・歩騭(196) 小沛領内 彭城・・・厳畯/張昭(194)/張承(197) 許昌領内 頴川・・・郭嘉/荀彧/陳羣 陳留領内 任城・・・満寵 汝南領内 譙県・・・許褚 洛陽領内 河内・・・司馬懿(198) 河東・・・徐晃 孟津・・・楊奉 長安領内 臨晋・・・張既/傅巽 郿・・・法正(195) 安定領内 陳倉・・・孟達(191) 天水領内 隴西・・・王双(219) 寿春領内 合肥・・・魯粛(191) 廬江領内 石亭・・・宋謙(194) 秣陵領内 丹陽・・・凌操/朱桓(196)/朱然(196) 呉 領内 曲阿・・・許貢/陳横/吾粲(206) 会稽領内 始新・・・周昕/董襲/ 建安・・・賀斉 柴桑領内 九江・・・周泰 宛 領内 穰県・・・黄忠/牛金(201) 襄陽領内 新城・・・韓嵩 成都領内 綿竹・・・呉蘭/雷銅(191) 蛾眉・・・張翼(207)/冷苞(210) 広漢・・・王甫(190)/王累(192) 交趾領内 蒼梧・・・邢道栄(193) しらんかったわー -- (あ) 2016-11-13 12 51 16 孔チュウプレイの際、許昌はまさに宝の山。 三國志界屈指の謀将、内政官が揃っているので、内政・人事・計略が思いのままだ。 -- (孔イ由) 2018-07-20 09 31 50 零陵・・・劉度(191)(ifシナリオ2) -- (名無しさん) 2020-03-09 16 10 52 下邳(本城内)・・・車冑※190年時点 -- (うんこまん) 2023-01-15 11 27 40 晋陽(本城内)・・・貂蝉(※192発見時17歳なので191?) -- (名無しさん) 2023-08-15 16 12 13 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/warandpeace/pages/42.html
新解釈・三國志 映画『新解釈・三國志』Blu-ray DVD 豪華版
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/2326.html
三國志曹操伝 機種:PC 作曲者:横田真人 開発元:コーエー 発売元:コーエー 発売年:1998年 概要 SRPG「英傑伝シリーズ」の第5作目。今作の主人公は三国志屈指の英雄・曹操。 ルートによっては2作目『三國志孔明伝』主人公の諸葛亮が魔王に憑依されるなど破天荒なシナリオが話題を呼んだ。 BGMの一部は後に配信された『三國志曹操伝 ONLINE』にも流用されている。 作曲の横田真人氏は後に任天堂に移籍し、『スーパーマリオギャラクシー』等を手掛けることになる。 サウンドトラックは発売されていないが、BGMがCD-DA音源のため、オーディオプレイヤーで聴くことができる。 収録曲 No. 曲名 備考 順位 02 決戦の時 決戦前の本陣 03 陰謀 戦闘開始前 04 暴走 主に対袁紹戦 05 急襲 主に対呂布戦 06 互角 主に対呉軍戦 07 覇道 主に対劉備戦 08 苦戦 主に撤退戦 09 凱旋 戦闘勝利 10 一騎討ち 11 暗雲 最終戦前 12 大戦 イントロがマーラー作曲『交響曲第5番』第1楽章に似ていると言われる 第5回443位 13 曹操の迷い 選択肢発生 14 迷い 不穏なイベント 15 乱世の習い 悲しいイベント 16 統一 スタッフロール 17 本陣 18 悠久の時の流れ タイトルメニュー、進行イベント 19 落花 悲しいイベント(呂布関連) 20 慶事 嬉しいイベント 21 夜空 しんみりしたイベント、エンディング 22 嚆矢 オープニング 出陣 作曲:並木晃一、孔明伝のイントロ部分流用、ジングルで流れる
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2218.html
三國志曹操伝 【さんごくしそうそうでん】 ジャンル シミュレーションRPG(英傑伝シリーズ) 通常版 コーエー定番シリーズ 対応機種 Windows 95~XP 発売・開発元 コーエー 発売日 1998年12月11日 定価 9,800円(税別) 廉価版 コーエー定番シリーズ 2002年11月8日/1,980円(税別) 判定 バカゲー ポイント IFルートは特に蜀漢ファンにとっては衝撃 英傑伝シリーズ三國志英傑伝 / 三國志孔明伝 / 毛利元就 誓いの三矢 / 織田信長伝 / 三國志曹操伝 三國志シリーズリンク 概要 評価点 賛否両論点 問題点 バカゲー要素 総評 余談 その後の展開 三國志曹操伝Online 概要 『三国志演義』や日本の戦国時代を題材にしたコーエーの『英傑伝シリーズ』の5作目(事実上の最終作)であり、『演義』の敵役である曹操(孟徳)を主人公としたマップクリア型シミュレーションRPGである。 物語の途中には主に曹操のセリフで選択肢がある。原典に近いものを選んでいくと『演義』ベースの赤黄ルート(赤と黄はエピローグの展開が異なる)、原典に反する選択肢を選んでいくと架空のシナリオである青ルートに分岐する。 評価点 マップ上を動き回るキャラのシンボルは非常に細かく作られており滑らかに動く。 演出も凝っており、今作ではマップ上のシンボルが台詞とともに動いたり城門が開閉したりする。 これまで『演義』を原典としていた三國志ものとしては珍しく曹操を主人公にしており、彼に従った魏の武将達が活躍する話を見ることができる。 特に三国志上重要な戦いでありながら、これまで蜀側の主観だった為に軽く流されてしまっていた「官渡の戦い」や「赤壁の戦い」が、しっかりと1ステージ使ってプレイできるのは魅力である。陣容的にもまさに「決戦」といった趣になり、なかなか盛り上がる。 当時でもかの名作『蒼天航路』などで曹操再評価の動きが見られたためだろうか。尤も曹操も何度か命の危機に陥った戦い(董卓征討の折や濮陽の戦いでの敗戦、宛城の戦いなど)が多く、そうしたステージは大抵難易度が高め。 第1作『三國志英傑伝』の「妖術使い」、第2作『三國志孔明伝』の「軍師」といったこれまで異常に強かった部隊属性(いわゆるクラス)が「策士」「道士」「風水士」などに分けられているなどバランスが調整されており、極端に強いユニットが存在しない(*1)。 歩兵・騎兵・弓兵の三すくみに関しては『英傑伝』の仕様に近くなった。つまり『孔明伝』で猛威を奮った騎兵は弓兵に弱くなり、あまりに弱かった歩兵は弓兵に強くなっただけでなく、策略がない代わりに防御力が大幅に上昇して盾役が務まるようになっている。 その一環で自軍の属性配分も調整されており、全く出番のない武将はほぼないと言ってよい。徐晃が弓兵、龐徳が歩兵など微妙にイメージに合わない属性に充てられている場合もある。 『織田信長伝』と同じく「敵軍のレベルが自軍のレベルに合わさる」仕様もあり、PC-98版『英傑伝』の異様に高い難易度(*2)や『孔明伝』の低すぎる難易度と比べると、かなりバランスが取れた難易度になっている。「シリーズ最強の英傑伝!」と銘打たれていたこともあり、人によっては「シリーズ最高傑作」の呼び声も。 後に『決戦』『スーパーマリオギャラクシー』のBGMを手掛けることになる、横田真人氏によるBGMはなかなかの良曲揃い。特に対呂布戦で多く流れる「急襲」や呉軍戦で流れたりする「互角」は雰囲気を盛り上げてくれる。 賛否両論点 『英傑伝』『孔明伝』と異なり、自軍に加わる武将が演義の有名どころに絞られているため、確かに弱い武将(曹洪など)もいるが、『英傑伝』の耿武や『孔明伝』の高定などといった使い物にならないくらい弱い武将はおらず、仲間にして後は放置される武将が大量発生することは比較的少なくなった。 一方で自軍に加わる武将を絞っているため、本来曹操の配下になるはずの武将(臧覇・高覧ら)が敵のまま戦死したり、友軍として登場してもやられるとそのまま死亡(辛毗・文聘ら)したりすることが多い。 『孔明伝』では魏軍の強敵として出現した名将・郭淮は凛々しかった顔グラを情けない表情に変えられており、作中でも戦いを嫌う気弱な性格の武将として描かれている。 『孔明伝』に登場した曹真や韓浩、鍾繇に夏侯覇(*3)といった魏将や文官などは登場すらしなかった。 登場する多くの武将の性格が、良くも悪くも相当に個性的。 格言を引用しまくる呂蒙、不真面目な馬謖、「日本語でおk」状態な周瑜、腹ペコ天然ボケな孟優など、これまでの英傑伝シリーズの雰囲気からすると異彩を放っているキャラの尖り様。ただ、意外と史実に合わせたものになっていたりするなどよく作られている。 曹操や司馬懿らを除くほとんどの顔グラは『英傑伝』のものを描き直したり、『孔明伝』からの使い回し(*4)であり、問題はあまりないが、袁譚の顔グラが王平の色違い(*5)、新しく描き起こされた辛評の顔グラ構図が郭図とほぼ同じ、何故か自軍に加わる貂蝉は『孔明伝』のモブ女官の顔が使い回しされているなどやや手抜きが目立つ面も。 今作にも一騎討ちイベントは用意されており、それぞれに個性的な台詞が用意されるなど見てて楽しい。バリエーションも大幅に増えているが、弓兵・弓騎兵は必ず弓で戦うためかなり不自然さがある。特に夏侯淵VS龔都はツッコミどころ。 インターミッションパートの簡略化 『毛利元就 誓いの三矢』までは戦闘前に主人公を操作して各施設で様々なイベントを起こせたが、今作では『織田信長伝』と同じく本陣で武将と会話するのみ。過去作プレイヤーにとっては「能動的にイベントを起こす手段の一つが消えて残念」という声も。 アイテム「実」による成長システム 部隊属性の能力評価と対応した武将自身の能力により、ユニットの成長性が決定される。成長性を伸ばすためには、アイテムである「実」を使用して武将の能力を一定値まで上げ、レベルアップ時のパラメータ増を1多くすること。 これを最大活用するためには、戦いを長引かせ、より多く攻撃して武器のレベルを、またはより多く攻撃を受けて防具のレベルを最大まで上げ、その装備を売ることで特典として入手できる「実」を増やす必要がある。 加えて、強化した成長力を生かすためには、適用対象武将の加入レベルを抑える、すなわち部隊全体のレベルを抑える工夫も要る。 幸い本作は難易度がそこまで高くなく、以上のテクニックを駆使しなくてもクリアや宝物図鑑全収集(*6)ができるので、遊び方の一つとして留めておくとよいか。 問題点 死亡イベントを回避した武将の出番がない、厳密な意味での完全史実エンドや自軍以外のエンディングでの描写など、描写不足が前作までより大きい。 夏侯淵(*7)・典韋ら一部の武将には原典通りの死亡イベントが用意されているが、回避して生存させたとしても以降の物語にはほとんど関わらず、以降のイベントに台詞も無ければ顔も出さない。よって、苦労して生き残らせてもストーリー上では変化がない場合が殆ど。 赤黄ルート後半「成都の戦い」では曹・夏侯一族が強制出撃になるが、夏侯淵だけは定軍山で生き残らせていてもフラグ管理が面倒だったせいか一人だけ強制出撃に入っていない。彼もれっきとした夏侯一族のはずだが…。 ただし郭嘉についてだけは、曹操が「奉孝(郭嘉の字)が生きていれば、このような敗戦はなかっただろう」と赤壁の戦い後に嘆いたように、彼を生存させておくと赤壁戦を曹操軍に多少有利な展開にすることができる。 生き残らせておくと戦闘では活躍の場も存在する(*8)し、戦死組を含めた全武将に最終ステージに出撃させたときの台詞が用意されている。 本来曹操は樊城の戦いの後に病死するが、本作ではたとえ赤黄ルートで樊城の戦いをクリアしても(劉備の死後も)生き続け、天下統一までの半IFストーリーとしてゲームは続くことになる。 『孔明伝』のように、一定条件によって樊城の戦いで分岐するバッドエンドの扱いとしてでも見たかったという声もある。 一部強力すぎる戦術の存在 「奮起」「練兵」など能力アップの策略 一時的だがステータスが二割増するので、ステータスが高まる高レベル帯では利用するかしないかで攻略難易度が天地の差にもなる。 なお能力ダウン策略は三割減だが、敵ユニットの数が味方よりはるかに多いゲームなので、効果が低い。 策略「砂嵐」 森林・建物以外の地形にいる敵の全員にダメージを与える風策略。他属性の策略に比べると威力は高くないが、範囲がほぼ無限大なので連発させるだけで敵軍を壊滅させられる。ただし、後半の難関ステージがほとんど城内戦なので、出番がなくなっていく。 策略「幻惑」「津波」 どちらも成功率は低いが、一撃で対象を退却されられる策略。要はザラキなどに相当するコマンドだが、本作は戦闘中でも何度もセーブ・ロードできるというわけで… 少数精鋭による無双 敵のレベルは味方出撃部隊の平均値により決定する。したがって経験値を2、3名の主力に集中させ、残りをレベルを抑えたユニットで出撃枠に揃えれば、敵のレベルは自軍の主力に比べて極端に低くなり、容易く捻り潰すことが可能。ユニット退却による目立ったデメリットもなく(*9)、割と気軽に実行できる。 尤もこれはゲームシステムの裏をかいたランクゲー的な攻略であり、味方の平均レベルで敵の強さが調整されるSRPGにはよく使われやすいテクニックではある。 また、ゲーム開始から仕込みに手間がかかる(*10)ことや一周がかなり長いので詰みかけた場合の救済措置と言えなくもないが、ゲーム開始直後のチュートリアルでは「部隊のレベルは満遍なく上げるように」と助言されるためやはり正攻法とは言えないだろう。 バカゲー要素 人外の敵が出てくる。 後半に入ると、木でできた人形「木人」と戦うことになる。木人は毒を付加する攻撃を与えてくるので極めて厄介である上に、召喚してくる術者を退却させない限り無限に出てくる。 青ルートでは、木人に加えて混乱を付加する攻撃を与えてくる土人形「土偶」が出てくる。 だが、本作が後の無双シリーズにも比肩しうるトンデモゲーとして知られているのは概要に記した「青ルート」の存在が大きい。 青ルートに突入すると、突如諸葛亮が豹変。龐統や劉備・張飛らを謀殺し、趙雲らを騙して劉備軍を乗っ取ってしまう。しかもその瞬間、顔グラまで如何にもな悪党面に変更される。 ちなみにこのルートでは生き残った関羽が曹操配下に加わるなど小憎い点も。『英傑伝』の張遼や『孔明伝』の夏侯覇に通じるものを感じる。 + 最終戦と真相 最終ステージでは諸葛亮の秘術によって蘇らされ、土偶に加え自我を失いかけた劉備・張飛・孫親子・周瑜ら(有体に言ってしまうとゾンビ)と戦うという、『無双OROCHI』シリーズですらなかった前代未聞の展開となる。 実は諸葛亮が豹変したのは伝説の魔王に憑依されたため。本来は劉備がその標的だったが、諸葛亮は主君に憑依させまいと自身を犠牲にした。その後曹操達が魔王の完全復活を阻止したことで、諸葛亮は最後の力を振り絞って魔王を道連れにするのであった。 「反三国志(*11)」に匹敵するトンデモなストーリーとはいえ、話は中々上手くまとまっており、絶妙な難易度・分岐後の熱い展開とも合わさって評判自体は上々。 赤黄ルートでほとんど目立たない貂蝉と徐庶は、この青ルートで重要な鍵を握ることになる。 実は青ルートのみならず赤黄ルートでも、劉備の遺志を継がんと最期まで戦い続けるが力及ばず戦死していく蜀将達は悲哀を感じさせるものがある。 総評 青ルートの奇抜さが真っ先に特徴に挙げられる作品だが、これまでの英傑伝シリーズの特徴を引き継ぎながらも改良し遊び易く仕上がっており、シリーズのトリを飾るにふさわしい作品である。 ゲーム単体で見ても動作が快適でシステムもシンプルかつゲームバランスも全体的に見れば良く、シナリオも曹操軍をたどる物語としての王道的な仕上がりになっており、万人にお勧めできるSRPGであった。 余談 パッケージイラストの一部(中央の曹操以外)は『三國志 ゲームボーイ版』(関羽、諸葛亮、女官)や『三國志II』(赤兎馬)から流用されている。 諸葛亮ファンや蜀漢ファンの批判を浴びたのか、はたまたコーエー側が自粛したのか、コンシューマー移植はおろか公式ハンドブックの出版すらされないというコーエーの歴史ゲームとしては異例の事態となった。 それまでの英傑伝シリーズ4作がコンシューマー移植されているのにもかかわらず何故か本作だけ移植されなかった。 公式サイト内のページこそリンク切れになったものの、現在でもGAMECITYのサイト内に製品紹介ページが残っているため、黒歴史扱いされているわけではない模様。 SRPGとしてはシリーズの中でも出来が良く固定ファンがいるのも事実であり、有志による同人攻略本や攻略サイト、ファンサイトも作られている。同人攻略本(曹操伝ハンドブック)は現在では入手は困難(*12)。 その後の展開 『無双OROCHI』の蜀伝では諸葛亮が敵の遠呂智軍として登場するため、ごく一部で「魔王孔明再来か」と話題になった。 iOS・Android向けアプリとして『三國志曹操伝Online』(後述、※本Wikiでは単独記事作成禁止)が2013年8月22日に発表。ネクソン・コリアの子会社であるThingSoftが開発を担当し、2016年10月6日に韓国でサービス開始。香港と台湾では2017年3月16日から、日本では8月31日から配信開始した。近年のAndroidエミュは再現性が高く、PCからでも一応問題なくアプリをプレイできたようだ(2019年8月現在)。 三國志曹操伝Online 【さんごくしそうそうでんオンライン】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 Windows 7~10 発売元 ネクソン・コリア 開発元 ThingSoft 配信日 【Steam】2019年5月25日 定価 基本無料 ポイント 現在は配信終了 2019年5月25日からSteam版が配信されPCでもプレイできるようになった…と思いきや、ボイスを含めて日本語版を実装しているにもかかわらずまさかのおま国状態となった。 『曹操伝』とはゲームシステムが若干異なるが、SRPGとしての基本はほとんど同じ。本作の策略名・BGMなどがアレンジしながら使われている。「あの」ネクソンと「あの」コーエーなのにひたすらにストイックなゲームとなっており、過去作ファンからの評価は高い。 最大の評価点としては、武将入手にガチャ要素が絡まない点だろう。「SSR曹操」を出す為に数万円つぎ込んだり、期間限定の「水着貂蝉」が実装されたりといった近年のアプリゲーにありがちな要素はなく、全武将がゲーム内資金で入手可能。 藩宮や李明といった『英傑伝』のオリジナル武将を登用したり、魔王孔明を自軍に入れることも可能。貂蝉の顔グラもモブ女官ではなくなった。 もちろん欠点がないわけではなく、例えば下記の「曹操伝」目的でプレイすると、武将の気力(行動力に相当)や兵糧(同)の仕様で連続プレイに支障をきたすのは大きなマイナス要素になる。 オンライン戦闘を楽しむ「戦略編」の他に、「演義編」では、リメイク「曹操伝」が丸ごと収録されている上、「袁紹伝」「関羽伝」などといった特定武将を主人公としたシナリオが用意されており、事実上、英傑伝シリーズの集大成になっていた。中でも「劉備伝」「呂布伝」の評価が高い。 「徐庶伝」に関しては魔王が完全復活に成功した場合のIFシナリオも収録されるなど青ルートの補完になっており悪くない。 各シナリオをアンロックするための課金は(プレイを急がなければ)必要ない仕様なので、シリーズのファンならプレイしてみる価値はあっただろう。 『曹操伝』のリメイクとして『Online』を見ると、原作表現をそのまま持ってきたせいで突っ込みどころがいくつかある。 例えば汜水関の戦い前に李典が『曹操伝』同様に「夏侯淵殿は我が軍で唯一の遠距離攻撃部隊」という趣旨のセリフを言うが、『Online』の李典は弩兵(『曹操伝』では歩兵)。遠距離攻撃できる本人が発言するのはかなりシュール。というか、別のオリジナル武将が弓兵として先に参戦しているので…… ちなみに初期の配下として曼基・姜甫・劉宮といった3人のオリジナル武将が存在しているが、曹操が北部尉だった頃からの部下であることがゲーム内で語られており、『蒼天航路』を彷彿とさせる。 何故『三國志英傑伝Online』ではなく『三國志曹操伝Online』だったのかというと、台湾や韓国で『三國志姜維伝』などといった『曹操伝』の非公式な改造が人気であり、それに便乗したが故だと言われている。 2020年6月11日にサービス終了。Steam版は1年強の配信であった。